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2010年05月07日 庭野平和財団「南アジアプログラム」のインド、バングラデシュでの支援先を決定

庭野平和財団が進める「南アジアプログラム」の2010年度のインドとバングラデシュでの支援先がこのほど、決定されました。インドでは今年度、『食の安全保障──社会的に弱い立場にある女性と子供たちのために』をテーマに現地NGO(非政府機関)2団体とプロジェクトを実施。バングラデシュではテーマを『疎外され最貧困にあえぐ人々の生活支援』に定め、1団体とプロジェクトを行います。1プロジェクトの実施期間は3年が目安。同プログラムは立正佼成会一食(いちじき)平和基金から運営資金を委託されています。

今回、決定されたインドでの支援先は、SMS(シュラマジビ・マヒラ・サミティ=勤労女性の会)、ロク・スウォール(「民衆の声」の意)の2団体。SMSはジャルカンド州で、離婚や夫の死を経験した独身女性と40歳以上の未婚女性の支援を行ってきました。
同プログラムでは、西シンブーム県に暮らす5千人に対し、既存の女性自助グループを通じて、政府による貧困者支援事業を紹介。自らの権利に対する意識の啓発を進め、家畜飼育、野菜栽培のトレーニングを実施します。
ロク・スウォールはジャルカンド州の州都ラーンチ郊外に暮らし、最貧困の状態にある先住民「ムンダ族」18村の女性をサポート。自助グループを通して、政府の支援事業への「橋渡し」役を担うとともに、食料を貯蔵して緊急時に備える穀物銀行の設立や竹細工の技術研修を進めます。
一方、バングラデシュではポリットラン(「解放」の意)への支援が決定しました。同国では、イスラームを信仰する人々が大多数を占め、少数派のヒンドゥー教徒は不利な立場に置かれやすくなっています。その中でも、カーストの最下層に置かれた「ダリット」(「抑圧されたもの」の意。自らをそう呼び、「不可触民」差別からの解放を目指す人々)は疎外され、困窮を強いられてきました。クルナ管区サッキラ県内に暮らすダリット2400世帯を対象に、自助グループの形成に努め、縫製技術や家畜飼育の技能訓練、市場や政府と交渉する能力の習得などの支援活動を行います。

(2010.5.7記載)