東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)が今年、創立50周年を迎えました。これまでプロ吹奏楽団の先駆者として日本の吹奏楽界をけん引し、多くの音楽ファンを魅了してきました。その卓越した演奏技術は海外からも高い評価を受けています。9月には、イタリア、スイスなどを訪れる「創立50周年記念東京佼成ウインドオーケストラ・ヨーロッパ・ツアー」を実施。今後のさらなる飛躍が期待されています。
創立当初の「佼成吹奏楽団」。ここからTKWOの歴史が始まりました(1961年)
TKWOは1960年5月、「仏教精神を基盤として異体同心となり、心技両面への錬磨に励み、音楽を通して教えの広宣流布に努める」ことを目的に、立正佼成会附属の吹奏楽団、「佼成吹奏楽団」として結成されました。
73年、「東京佼成ウインドオーケストラ」に改称。84年から"ウインドミュージックの父"とうたわれる故・フレデリック・フェネル氏を常任指揮者(96年より桂冠指揮者)に迎え、全国各地で積極的にコンサートツアーを展開するようになりました。一方、学生を対象にした音楽鑑賞教室や演奏技術指導会、社会福祉施設や刑務所での訪問演奏、長年にわたる「全日本吹奏楽コンクール」の課題曲収録への協力など、社会貢献活動にも力を注いでいます。
89年、オランダで開催された「第4回世界吹奏楽大会」への参加をきっかけに、初の海外公演となるヨーロッパツアーを実施。日本の吹奏楽の実力を世界に示すとともに、音楽を通して世界の人々に平和の尊さを訴えることに尽力しました。
2006年には「開祖生誕100年記念事業」の一環として、21世紀の優れた吹奏楽作品の発掘と普及を目的に、「第1回東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクール」を開催。同コンクールは3年ごとに行われ、09年には第2回が実施されました。また、08年からは庭野光祥次代会長が名誉団長を務めています。
現在、36人の団員を中心に定期演奏会をはじめ、地方公演や社会福祉施設での訪問演奏、また大聖堂の式典での演奏など幅広く活躍。09年2月には、定期演奏会が第100回を迎え、国内外からさらなる活躍に期待が寄せられています。
一方、レコーディングにも力を注ぎ、これまでに300点以上のCDをリリース。93年、作曲家の故・團伊玖磨氏自身の指揮による皇太子殿下ご成婚記念CD『新・祝典行進曲』を手がけたほか、98年には故・岩城宏之氏の指揮による黛敏郎管楽作品集『トーンプレロマス55』が文化庁芸術祭「レコード部門」の優秀賞を受賞しました。
また近年では、07年に発売した高校野球の応援曲を集めた『ブラバン!甲子園』が、クラシックCDとしては異例の15万枚の売り上げを記録し、同年、日本作曲家協会の「第49回日本レコード大賞企画賞」を受賞。08年には日本レコード協会が主催する「日本ゴールドディスク大賞」の「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」にも輝きました。
00年には、ダグラス・ボストック氏を常任指揮者(06年より首席客演指揮者)に迎え、10年、首席指揮者のポストを新設、フランス出身のポール・メイエ氏が就任しました。9月には創立50周年を記念し、イタリア、スイス、ドイツ、トルコの4カ国8会場で演奏会を開催する予定です。
河野公利TKWO団長は、「皆さまのおかげさまで、今日まで歩んでこられました。実は皆さまお一人おひとりが、オーケストラの"オーナー"なのです。法華経には音楽で仏さまを供養する場面が数多くあります。創立に込められた開祖さまの願いをかみしめ、より一層、音楽を通じて多くの人に癒やしや安らぎを提供したい」と話しています。
TKWOの飛躍に貢献した故・フレデリック・フェネル桂冠指揮者(1989年7月、スイス公演で)
社会福祉施設での訪問演奏や学生対象の音楽鑑賞教室など、社会貢献活動にも力を注いでいます(2004年、富山で)
「開祖生誕100年記念事業」として始まった作曲コンクール。国内外から多数の作品が寄せられました(2006年)
(2010.8.6記載)
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