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2010年10月04日 ARMS DOWN! ニューヨークで終了セレモニー

「ARMS DOWN! 共にすべてのいのちを守るためのキャンペーン」(主催・WCRP=世界宗教者平和会議=グローバル・ユースネットワーク)の終了セレモニーが10月4日(現地時間)、米・ニューヨークで行われました。キャンペーンは昨年11月にスタート。核兵器の廃絶と通常武器の増産や誤用の停止、全世界の軍事費を10%削減し、その削減分を国連のミレニアム開発目標(MDGs)に充てることを目指し、世界各地で青年宗教者が主体となって署名活動を展開してきました。席上、ステラマリス・ムラー同国際青年委員会(IYC)委員長が、140カ国から2千万を超える署名が集まったことを発表。潘基文(バンギムン)・国連事務総長の代理として出席したセルジオ・デュアルテ同事務次長(軍縮担当上級代表)に目録を手渡し、「ARMS DOWN!」の早期実現を要請しました。

◆潘基文・国連事務総長メッセージ
◆庭野光祥次代会長、終了セレモニーでのあいさつ(要旨)
◆終了セレモニーを終えて

共通の願いへ向け前進を
IYC委員長 ステラマリス・ムラー

まず自分から動くことこそ
立正佼成会実行委員長 藤田 桂一郎


終了セレモニーであいさつを述べる庭野光祥次代会長

会場となった国連本部に隣接するミレニアムUNプラザホテルには、キャンペーンに取り組んだ40カ国の青年代表100人を含む各国の国連大使、国連各機関の代表者、宗教指導者ら300人が参集しました。マハトマ・ガンジーの孫で、ガンジー開発財団の創設者であるエラ・ガンジー師(WCRP国際委員会名誉会長)、同国際委共同会長を務める庭野日鑛会長の代理として庭野光祥次代会長らが来賓として出席。同日本委員会青年部会からは、「ARMS DOWN! 青年の翼」として深田良一同幹事長(円応教青年会会長)、八坂憧憲同キャンペーン実行委員長(中山身語正宗青年本部長)をはじめ立正佼成会会員ら5教団から29人が参加しました。また、本会西日本教区も、「ARMS DOWN! 青年の翼」を結成し、30人が出席しました。
セレモニーでは、ウィリアム・ベンドレイ同国際委事務総長のあいさつに続き、コスタリカ国連大使のエルアルド・ウリバリ氏が登壇。昨年11月、同国で行われた「WCRP国際青年宗教者サミット」で、ノーベル平和賞受賞者のオスカル・アリアス・サンチェス大統領(当時)が最初の署名者となって同キャンペーンがスタートしたことなどに触れ、「『ARMS DOWN!』のメッセージはシンプルであるが力強いものだった」と青年たちの取り組みを讃(たた)えました。
世界各地でのキャンペーンの様子をまとめた映像が上映されたあと、ステラマリスIYC委員長がキャンペーンの総括を行いました。紛争下にある国を含む140カ国で活動が行われ、世界各国で合わせて1万人の活動的な青年リーダーが誕生したこと、また世界各地で、国や自治体レベル、平和構築を推進する諸機関などと連携、協働できたことを報告。その結果、2千万を超える署名が集まったと発表しました(同日午後4時現在の署名数は、2010万2746人)。
ステラマリス委員長は、キャンペーンに取り組んだ世界の青年宗教者、また関係者に謝意を表すとともに、「始めた仕事は、どれだけ大変でも終わらせるべきです。世界のリーダーが人々の望みを聞くまで、私たちは活動を続けます」と、青年宗教者のネットワークを生かしたさらなる取り組みを宣言し、デュアルテ国連事務次長に、「ARMS DOWN!」の趣旨と署名数の記された目録を手渡しました。
続いてあいさつに立ったガンジー師は、「非暴力の文化をつくり上げることができたとき、『共にすべてのいのちが守られる世界』が実現される」と述べ、青年宗教者に期待を寄せました。デュアルテ事務次長が潘事務総長からのメッセージを代読したあと、光祥次代会長があいさつを行いました。
最後に、司会者が「一人では何もできない。しかし、一人が始めなければ何事も始まらない」という庭野日敬開祖の言葉を紹介。すべてのいのちが守られる世界の実現に向けた取り組みの継続を誓って、参加者全員で「ARMS DOWN!」と唱和し、セレモニーは幕を閉じました。
なお、これに先立ち、同日の午前と午後、本会ニューヨーク教会を会場に、「ARMS DOWN! キャンペーン報告会」が開催されました。地域ごとのディスカッション、全体報告会などが行われ、青年たちは取り組みの成果や反省点などを確認しました。

IYCが成果と今後の取り組みを発表

終了セレモニーを終えた10月5日、各地域の代表であるIYC委員による会合がもたれ、「ARMS DOWN! 共にすべてのいのちを守るためのキャンペーン」の成果や今後の取り組みなどについての確認が行われました。

会合後、IYCから以下の点が発表されました。

【主な成果】

「ARMS DOWN!」は世界的な核廃絶、軍縮の潮流を後押しし、国際社会や政治に対して一定の影響を与えることができました。特に青年による署名活動という地道な取り組みは、世論喚起という点で、国際社会が地球的課題の解決に向け前進する気運を高めたと受け止めます。
具体的には、NPT(核不拡散条約)再検討会議で10年ぶりに合意文書が採択されたことや8月に市民主導の軍縮条約「クラスター爆弾禁止条約」が発効されるに至ったこと、また、9月下旬に開催されたMDGs(ミレニアム開発目標)サミットで「目標の達成に向けてあらゆる努力を行う」という文書が全会一致で採択されたこと、など。

【今後について】

*署名で寄せられた2千万人の声をもとに、「全世界の軍事費を10%削減し、その削減分をMDGsの促進に充てる」ことが国連総会に決議案として提出され、審議、採択されることを目指します。現在、コスタリカ、ネパール両政府、WCRP国際委員会と協力し、準備を進めています。
*署名活動は4日の式典をもって一つの区切りとしますが、今年度末までを報告受付期間とし、その後、最終的な集計を行います(青年組織の脆弱(ぜいじゃく)さや人材不足、地理的、政治的要因などから記入済み署名用紙の回収、集計が滞っている国が少なくないため)。WEBサイト上での署名は人々の声、意思を重視したいことから、今後もこれまで通り受け付けます。
*「ARMS DOWN!」のメッセージ、コンセプトが世界各国で大きな評価を受けたことから、今後もキャンペーンの目的である3項目についてグローバル・ユースネットワークとして啓発、教育、政策提言などの活動を積極的に行っていきます。各国、各団体が主催するシンポジウムや学習会、その他の平和活動において、名称に「ARMS DOWN!」を用い、そのメッセージが発信されることを希望します。

(2010.10.15記載)


日本からも多くの青年が参加。各国からの出席者とキャンペーンを通じた学びや気づきを分かち合いました


終了セレモニー当日、そして「開祖さま入寂会」にあたる4日早朝、立正佼成会からの「青年の翼」参加者は本会ニューヨーク教会で読経供養を行い、世界の平和を祈願しました


歩行者天国となったレキシントンアベニューで署名活動を行う参加者たち(3日)


国連本部ビル前UNプラザビル内で、エラ・ガンジー師らを招き、学習会を開催。「非暴力」「平和観」「政治」などについて学びまし。西日本教区の一行も参加しました(5日)


地域別報告会では、アジア6カ国の参加者とキャンペーンの成果などを確認しました(4日、立正佼成会ニューヨーク教会)