News Archive

2010年12月05日 佼成雅楽会が創立60周年記念公演 「天台声明」と共演

佼成雅楽会の創立60周年を記念した定期演奏会「創立六十周年記念 佼成雅楽会公演~雅楽と天台声明(しょうみょう)の調べ~」が12月5日、法輪閣大ホールで開催されました。同公演では、天台宗東北大本山中尊寺の山田俊和貫首をはじめとする天台宗僧侶による「天台声明」と共演。優美な雅楽の音色と幽玄な天台声明の調べが披露されました。会員ら約600人が参集。庭野日鑛会長、佳重夫人、渡邊恭位理事長が鑑賞しました。

佼成雅楽会は1950年9月、「仏さまのお徳を讃(たた)える荘厳な音楽を式典にとり入れたい」という庭野日敬開祖の願いのもと、発足しました。以降、古典から現代の創作曲まで幅広い楽曲に取り組み、多くの人に雅楽の魅力を紹介し続けています。
現在は約40人のメンバーによって構成。管楽器の笙(しょう)や篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、絃楽器の箏(こと)や琵琶、打楽器の鞨鼓(かっこ)や太鼓、鉦鼓(しょうこ)、また雅楽器の伴奏で演じる舞をそれぞれが担当し、日々、練習に励んでいます。大聖堂や全国各教会の周年記念式典での演奏、各地の神社仏閣での奉納演奏、定期演奏会などを行うほか、雅楽の講習を実施し、伝統文化の継承、普及にも努めます。
記念公演となったこの日は、初めて「天台声明」と共演しました。「声明」は仏教の儀式音楽の一つで、経文に節をつけたもの。仏教がインドから中国を経て日本に伝わった際、雅楽や舞楽と共に伝来したとされます。
開式にあたり、あいさつに立った渡邊理事長は、長年にわたる立正佼成会と天台宗との親交を紹介。その上で、「日本仏教の母山である比叡山を源にする天台声明との合奏は、私ども佼成雅楽会の歴史に残る、尊く、ありがたいお手配です」と述べ、謝意を表しました。
第一部では、同雅楽会が管絃『太食調音取(たいしきちょうのねとり)』『傾盃楽急(けいばいらくのきゅう)』『輪鼓褌脱(りんここだつ)』を演奏。第二部の「雅楽と天台声明の調べ」では、同雅楽会の舞楽『迦陵頻(かりょうびん)』に続き、天台声明の式衆14人が『四智梵語讃(しちぼんごさん)』を唱えて色とりどりの曼陀羅華(まんだらけ)を散華しながら入堂したあと、『対揚(たいよう)』『諸天漢語讃(しょてんかんごさん)』など9曲を披露しました。『自我偈(じがげ)』では「妙法蓮華経如来壽量品偈」を観客全員で読誦(どくじゅ)しました。
また、佼成雅楽会が舞楽『延喜楽(えんぎらく)』『蘭陵王(らんりょうおう)』と退堂楽『長慶子(ちょうげいし)』を演奏。日本古来のみやびやかな音色や華麗な舞、幽玄な天台声明の調べに、満場の観客から惜しみない拍手が送られました。

(2010.12.10記載)