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2011年01月22日 「原始仏教聖典資料による釈尊伝の研究」報告会に光祥次代会長が出席

立正佼成会の支援を受け進められてきた森章司東洋大学名誉教授=中央学術研究所講師=の「原始仏教聖典資料による釈尊伝の研究」の報告会が1月22日、法輪閣第1会議室で行われました。庭野光祥次代会長が出席。沼田雄司教務局長、川端健之総務局長はじめ教団役職者ら50人が参加しました。

同研究は、原始仏教聖典(経蔵・律蔵)を基に釈尊の事績や釈尊教団の形成過程を明らかにするもので、世界で初めての試み。1991年に森氏を中心とする共同研究としてスタートし、94年から中央学術研究所を通じた本会の支援を受け昨年11月まで続けられました。
当日は森氏が『釈尊および釈尊教団史年表』『釈尊年齢にしたがって配列した原始仏教聖典目録』を光祥次代会長に贈呈。このあと、研究の目的と成果の一端が紹介されました。
森氏は冒頭、これまでに多くの研究者により「釈尊伝」が著されているものの、「成道」「梵天勧請」「初転法輪」「入滅」などの出来事を中心に書かれており、45年間の教化活動の大部分が「空白」と指摘。その理由として原始仏教聖典には釈尊が説法した場所や内容などの記述はあるが、日付がないことを挙げ、「今回の研究は『空白』を埋め、(釈尊の言行の)年表をつくる」ことを目指したと説明しました。
研究では、準備期間に2年、パーリ語と漢訳の原始仏教聖典によるデータの収集、蓄積に4年を要し、さらに6年間は「由旬(ゆじゅん)」「バラモン修行者の生活」など基礎研究に費やしたと報告。聖典に登場する人物や場所などを手がかりに各聖典の作成年代を定め、記された釈尊の行動や説法の時期を割り出したと詳述しました。
「基礎的な研究に多くを費やすことができたために、その後に成果をもたらすことができた」と語り、年表を披露。本会の支援に謝意を表しました。

(2011.2.4記載)