講話の中で光祥次代会長は、人のよいところを見て、それを拝む仏性礼拝行の大切さを強調した
庭野光祥次代会長臨席のもと、「バングラデシュ青年結集大会」が2月4日、同国南部にあるコックスバザール県のサッカースタジアムで開催されました。法華経の教えを弘(ひろ)め、仲間づくりを進めようと、バングラデシュ教会青年部が主催。これに国内各拠点から1万3230人の部員らが参集し、講話を通して学びを深め、教えの実践と布教伝道を決意しました。教団から泉田和市郎青年本部長が随行、鈴木孝太郎国際伝道本部長らが同行しました。
バングラデシュ教会青年部は、教会として発足した2008年から3カ年計画で研修と法座、手どり修行を継続、2009年、2010年と結集大会を行いました。毎月1回の研修では、有富教順教会長や元海外修養生らが中心となり、仏教の根本義や法華経を学び合いました。 国民の多くはイスラームで、仏教徒は人口の約1%。スリランカやタイから伝わる系統と民俗的要素の加わった独特の仏教が混在するといわれています。その中で教えに触れた青年にとって、自らが経典を読誦(どくじゅ)し、教えを知り、実践することは大きな喜びとなり、布教伝道の原動力になっています。 「バングラデシュ青年結集大会」を開く目的も、教えを伝えることに焦点を当て、昨年9月から準備。毎日のように行われた手どり修行では、村まで7時間も山道を歩いて布教することもありました。教会では現在、約1万2千人が入部登録しています。 9カ所ある布教拠点などから集まりやすいようにと、バス144台を手配したのは、ショーロク・バルアさん(30)。すぐに叱(しか)る両親を疎ましく感じていましたが、教えに触れ、子を案じる親心の有り難さに気づきました。現在は、離れて暮らす両親に電話で感謝を伝える毎日。「教えに触れられない人がいると聞くのがつらい。みんなに伝えるのが私の喜びだ」と、布教伝道の意気込みを語りました。
光祥次代会長は、来賓スピーチに立ったソヨダ・サジェダ・チュウデュウリ官房長官と固い握手を交わした(2月4日)
大会では冒頭、ミャンマー出身でラカイン族の青年部員が歌と踊りを演じました。続いて、日本の青年代表団として多摩ブロックの16人が、核廃絶などのための署名活動「ARMS DOWN!」の成果を発表したあと、踊りを披露し、会場を盛り上げました。
このあと第1部が開会し、ソヨダ・サジェダ・チュウデュウリ内閣官房長官はじめ国会議員4人が来賓あいさつ。ソヨダ官房長官は「人間の働きが一番の宝物。人さまの幸せのために活動する佼成会に、心より感謝します」と話しました。官房長官の参加は異例のことで、地元マスコミはトップニュースで大会を報じました。
第2部では、シャタビディ・バルアさん(18)が体験説法。父親の死などを乗り越えられたのはサンガのお陰さまだと感謝し、「日本の皆さんと同じように、一食(いちじき)運動を実践し、仲間に勧めたい」と決意しました。続いて泉田青年本部長があいさつに立ち、菩薩行実践を促しました。このあと光祥次代会長が講話を述べました。
法華経実践の喜びを布教の原動力に 光祥次代会長が菩薩への道筋示す
「バングラデシュ青年結集大会」で講話を述べた光祥次代会長は、だれにでも仏性が具(そな)わっていると強調。そのことに気づくと、心が変わり、人間が変わり、人生が変わると話し、法華経の教えを信仰する功徳を示しました。その上で、人間関係がうまくいかないのは、自己中心の心があるためとして、「この症状を治す妙薬は、人のために尽くす行いをすること」と菩薩行実践の大切さを示しました。
続いて、菩薩の修行として「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の「布施」と「無財の七施」を説明。さらに、「菩薩の働きの中でも一番大切なことは、人の素晴らしいところを見つけ、それを心から尊敬して拝むこと」と仏性礼拝(らいはい)を促し、人の悪いところを見ず、努力、苦労を思いやりを持って見るという、庭野日敬開祖の言葉を紹介しました。
また、「開祖さまが身をもって教えてくださったのは、苦があるから幸せになれないのではなく、私たちは苦しみをきっかけにして幸せになれるということ」と述べ、縁を通して不満を感謝に変えるものの見方を説きました。
各地のサンガや諸宗教者と交流 バングラデシュ、タイでの光祥次代会長
青年大会の直後、コックスバザール法座所を参拝。居合わせた会員から喜びの声を聞いた(2月4日)
【コックスバザール】
庭野光祥次代会長は2月4日夜、バングラデシュ教会のコックスバザール法座所に参拝しました。居合わせた会員の「教えを学び喜びを頂きました。それを伝えるのが今の喜びです」との発表に耳を傾けました。
ダッカ法座所では、参拝後、会員たちの紹介を受け、感謝と励ましの言葉を交わした(2月6日)
【ダッカ】
2月6日午前には同教会ダッカ法座所に参拝。参集した約20人の会員を前に、「青年結集大会に参加して、私自身もパワーを頂きました。人さまの幸せのためにお役に立てるような私たちになりたいと思います」とあいさつしました。これに対し、会員たちは「私たちは本当に幸せです」と、来訪を喜びました。
バングラデシュから空路タイに到着し、バンコク教会を訪問、ご宝前に参拝した(2月6日)
【バンコク教会、南アジア国際伝道センター】
2月6日午後、バングラデシュから空路でタイに渡航した光祥次代会長は、首都にあるバンコク教会に参拝し、隣接する南アジア国際伝道センターを見学後、同善友ホールで懇親会「ファミリーパーティー」に臨みました。会場には、“善き友”としてフォコラーレ運動バンコクの幹部8人が同席し、バンコク教会の会員約150人が参集しました。
バンコク教会を参拝後、南アジア国際伝道センターを見学しファミリーパーティーに臨んだ(2月6日)
パーティーの冒頭、長谷川泰弘南アジア伝道区長(バンコク教会長)が「善友の絆(きずな)を深め、広めていきたい」とあいさつ。同教会と交流の続くプラチャート・ヴァンペーン小学校の児童が、幸せと健康を祈るタイの民族舞踊を披露しました。
光祥次代会長はバングラデシュでの青年結集大会の模様を紹介しながら、「一人ひとりが心の平和を築き、世界の平和をつくる私たちにならせて頂きたい」とあいさつしました。
幸せを祈り、これからも法を伝えたい
バングラデシュ青年結集大会実行委員長 ルモン・バルアさん(36)
自分の中に仏性があると教えられたのは、4年半前に導かれて間もなくのことでした。たくさんの悪い考えを内省し、会長先生の言われるように心田を耕してきました。仏さまも開祖さまも、父母も皆、私が幸せになるようにと、いつも傍にいて願っていると感じます。
ですから、青年結集大会の実行委員長のお役を受けるのも、初めは不安もありましたが、仏さまは必ずできると私を信じて命じてくださったのだと腹を決めました。仕事や家庭のことよりも、青年たちの幸せを願い、毎日のように手どりに歩き、80カ村を巡りました。
その中で一生忘れられない出会いがありました。ある町に布教に出かけた時のことです。たまたま町に来ていた山村の青年が教えを耳にし、自分の村まで来て説いてほしいというのです。翌日、仲間と車で山奥まで入り、そこから7時間の道のりを歩いて村にたどり着きました。
村の生活は貧しいのですが、村の人たちがこぞって食材を集め、夕食をごちそうしてくれました。その味は世界一の味でした。感謝を込めて、いろいろな教えを伝えました。こうした人々に教えを説くことができなければ、生きるかいがないとさえ感じました。
教えを知った私たちの世代は、次代を担う子供たちに必ずこの教えを伝えます。そうして多くの青年が育つに従って、必ず町も変わっていくと信じています。
(2011.2.18記載)