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2011年03月31日 根本外務部長に聞く 被災地への支援と私たちにできること

立正佼成会「東日本大震災対策本部」は地震発生の翌日(3月12日)、被災者支援および災害状況の把握を目的に援助隊(善友隊)を宮城県に派遣しました。隊長を務めた根本昌廣外務部長に、被災地の様子などを聞きました。

--被災地の状況、また援助隊(善友隊)の活動を教えてください

仙台では氷点下に達する寒さの中、電気やガス、水道などのライフラインが断たれ、被災された方々は厳しい避難生活を余儀なくされていました。避難所に身を寄せる方の多くが着の身着のままで、家族と連絡が取れずに不安を抱え、また、余震の恐怖におびえていました。
私たちはまず、渡邊佳政教会長の指示で会員さんの安否確認に比重を置き、支部長さんと一緒に避難所や会員さんの家を回りました。また、被災直後から連絡が途絶えていた石巻教会にも隊員を派遣し、本部からの物資を届けることができました。

--会員さんの様子はいかがでしたか

多数の市民の方々と同様、多くの会員さんも被災され、厳しい状況にありました。しかし、そうした中でも、私が出会った会員さんは、誰一人として不平不満を口にしませんでした。それどころか、自分のことよりも他の被災者の身を気遣っていました。家具が散乱した自宅の片づけを始める前に隣家の手伝いをしたり、自分の食料を他の人に分け与えたり、まさに「まず人さま」を実践していたのです。
ある支部長さんは、津波で自宅が流され、さらにご主人が行方不明という状況下で、支部の会員さんの安否確認に奔走していました。その支部長さんは、こう話してくださいました。「『おまえは、俺(おれ)の分まで信者さんのために頑張れ』。きっと、夫はそう言うでしょう。だから、私は頑張れるんです」--。私はこの言葉を一生忘れないでしょう。人が人を想(おも)い、寄り添いながら共に前に進もうとするひたむきな姿に胸を打たれました。

--今、私たち会員一人ひとりが心に刻むことは

まず、会長先生が日頃から教えてくださっている簡素な生活、少欲知足の実践に徹していくことではないでしょうか。具体的には、被災された方々に思いを寄せながら、電気やガス、水道を節約し、節食に取り組んでいくことなどが挙げられるでしょう。
私たちが生きる一乗の世界は、会員、未会員の区別がないのは言うまでもなく、すべての人がサンガであり、家族なのです。大切な家族が困難な状況にある今こそ、「同悲」や「祈り」、「分かち合い」といった一乗の精神そのものを、お互いさまに実践していきたいと思います。

(2011.03.31記載)