光祥次代会長は各地で集まった会員と触れ合い、一人ひとりに声をかけた(16日、石巻教会気仙沼法座所)
庭野光祥次代会長は4月13日から18日まで、東日本大震災の被害を受けた茨城、福島、東北、奥羽各ブロック12教会の計15拠点を訪問し、参集した会員たちと触れ合い、被災地である茨城県の大津港や岩手県釜石市、同山田町、同宮古市などを視察しました。各拠点では、被災した会員の報告に耳を傾け、延べ約3700人の両手を包みながら、一人ひとりに声をかけました。東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)のフルート奏者・前田綾子さんも加わり各地で演奏を披露、憩いのひと時を共に過ごしました。西日本対策本部の室長として園浩一西日本教区長、同副室長として小谷田昌亮中部北陸教区長、松尾恭利九州教区長が、それぞれ日程を変えて、また教団災害救援本部から熊野隆規教育グループ次長が同行しました。
法座席にいた婦人部員の赤ちゃんを抱き上げ「いい子になりますよ」と声をかけた(13日、日立教会)
光祥次代会長は訪問した各所で、「だれもが自分の善き心を表現することをためらわなくなった」と、震災後に感じた人々の心の変化に触れ、「私たちは今まで教えて頂いたことを自分の生き方にしていくことが大切です」と話しました。
また、チェルノブイリ原発事故の際、庭野日敬開祖が家族に向けて話した「何も心配することはない。私たちは、ただひたすら、仏道精進をしていけばいいんだよ」との言葉を紹介。「不安でいっぱいの時に、大丈夫と言ってくださる開祖さまの存在、信仰の強さに、深い安心感を抱きました」と述懐しました。
その上で、「開祖さまから頂いた大きなプレゼントは、笑顔と菩薩行」として、自らが被災者でありながら周囲の人に心を配るサンガの姿をたたえ、菩薩行の意味に言及。「自分の心配ばかりをしていては、心配のあまり胸がつぶれてしまいます。そのような時に、周りの人の心配をすることで、自分が立っていられる。菩薩行は自分のためにあったのだと、改めて感じさせて頂きました」と話しました。
光祥次代会長は、4月13日に水戸(会員550人が参集)、日立(347人)の両教会を訪問。翌14日から茨城(200人)、磐城(150人)、平(155人)、白河(150人)、郡山(407人)、福島(566人、会津・両沼・喜多方の会員も参加)、原町(福島第一原発事故の影響で臨時拠点に44人)、仙台(800人)、石巻(128人)、同気仙沼法座所(26人)を順次訪れました。17日には釜石(110人)、同山田法座所(30人)、同宮古道場(40人)を巡り、各地で式典に臨みました。
式典では、黙とう、教会長あいさつのあと、TKWOの前田さんがフルートを演奏。3人の教区長がそれぞれ各包括教会から寄せられた被災会員へのメッセージや寄せ書きを贈呈したほか、会員たちが地震発生直後からこれまでの体験を報告し、光祥次代会長が「お言葉」を述べました。
福島教会主任は、震災直後、一人でもいいから目の前の人に手を差し伸べようと、お年寄りにペットボトルの湯たんぽを届けたり、近所の人々に手作りのぼた餅を振る舞ったりしました。「それができたのも教えのお陰さま。今日聴かせて頂いたフルート演奏のように、心に染み透るような手どりがしたい」と心情を語りました。
光祥次代会長が法座席の会員一人ひとりの手をとり言葉をかけた「ふれあい」の時間では、震災でサンガの一人を亡くした仙台教会主任が「泣いてもいいですか」と抱き合う場面も。畠山さんは「涙しかありません」と、来訪に感謝しました。
人さまに尽くすことで自分が支えられる。その経験を分かち合った(13日、水戸教会)
「光祥さまから笑顔と元気をもらいました」。明るい笑い声が響いた(14日、白河教会)
自然の力は大きいが、復興に向けた人々の力も大きい(14日、茨城・大津港)
余震が来ると、また振り出しに戻る。そんな会員の不安に思いを寄せた(14日、磐城教会)
西日本のサンガから託された応援メッセージを紹介した(15日、郡山教会)
「ふるさとをなくした思いでしたが、光祥さまの笑顔に触れ、頑張ろうと思えた」(16日、石巻教会)
光祥さまから頂いたぬくもりを今度は私から人さまへ(17日、岩手・大槌町吉里吉里)
津波が山を駆け上った。そのつめ跡を見て立ち尽くす(17日、岩手・釜石市両石)
「またお会いできるのを楽しみにしています」と笑顔の会員たち(17日、釜石教会宮古道場)
TKWOの前田綾子さんがフルートを演奏。優しいメロディーが涙を誘った(17日、釜石教会山田法座所)
車ごと津波にのまれ、九死に一生を得た体験を報告。今あるいのちに感謝した(14日、平教会)
待っていてくれる人がいる。それが元気の源と発表した(15日、福島教会)
涙をこらえ震える声で思いを伝える(16日、仙台教会)
(2011.04.21記載)