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2011年04月21日 【ルポ】サンガの励まし合い、支え合い続く 千葉ブロック各教会


寒い体育館で避難生活を送る市民に温かい食事を届けたいと、天ぷらを揚げる佐原教会第二支部の会員たち

東日本大震災では、千葉県内も大きな被害を受けました。佐原、市川、銚子など各教会の包括地域では地盤沈下や液状化現象、津波により、多くの会員が被災しました。今もサンガの励まし合い、支え合いが続いています。

利根川流域の佐原教会の包括地域内では地盤の液状化現象が相次いだ。教会道場の駐車場でも大量の砂と水が噴出。ブロック塀や電信柱が傾き、別棟は地表から約40センチ沈み込んだ。
地盤沈下により、地震直後から教会道場のある香取市内のほぼ全域が断水となった。そんな中、主任のAさんは、毎日のように給水所に通い、ペットボトルにくんだ水を地区の高齢会員に届けて回った。余震の恐怖におびえ、外出もままならない会員たちの不安な思いに耳を傾け、買い物や銭湯などにも付き添った。

自宅に井戸を持つ主任Bさんは、洗濯場や風呂を会員に提供し、一人暮らしの高齢者には宿泊も勧めた。多い日には4、5人が訪れた。「人さまのためにと始めたことですが、皆さんの『ありがとう』の言葉に私が支えてもらいました。人は一人では生きていけないことを地震を通して改めて実感しました」。

地割れや地盤沈下で住宅が傾いた市民は、現在も地域の体育館で避難生活を送る。その体育館で炊き出しを続けている男性会員は、「3月の寒い中、毎日乾パンや冷えたご飯だけで過ごしていると聞き、居ても立ってもいられなかった」と話す。これまで約600食分のおにぎりなどを提供した。
4月16日には、男性の呼びかけで第二支部の会員12人が主任宅に集い、避難者の要望が多かった野菜の天ぷらとポテトサラダを50人分用意して体育館に運んだ。避難生活が長い女性は、「今日はこれまでで一番豪勢な食事。皆さんの善意には感謝しかありません」と顔をほころばせた。

瀧川浩代教会長は、「皆で助け合ってこの困難に立ち向かい、希望を見つけていくことが大切だと思います。大変な状況ですが、仏さまを念じ、乗り越えていきたい」と話した。

このほか、市川教会でも浦安市を中心に大規模な液状化現象が発生し、道路の沈降や家屋の倒壊に見舞われた。青年部員22人が自発的に会員宅を訪問し、庭に噴出した泥を取り除いたほか、断水が続いた第7、8両支部では支部長、主任らが会員の安否を確認するとともに、教会でくんだ水を配布して回った。
一方、銚子教会では地震と津波により旭市を中心に多くの会員宅が倒壊や損傷の被害を受けた。電気、水道などが寸断された中、教会道場と旭道場で地震発生翌日から会員が炊き出しを実施。4日間で約200食分のおにぎりやみそ汁を地域住民らに振る舞った。
また、津波で床上浸水の被害を受けた会員宅では、壮年部員12人が家屋に流れ込んだ土砂の撤去や荷物の運び出しを手伝った。

(2011.04.21記載)