東日本大震災の支援活動が、全国の教会や地域、家庭、会員一人ひとりの、復興への祈りが込められた取り組みとして、積極的に行われています。
体験通し避難所に思いはせ
今、自分たちにできることを話し合いたいと、秋田教会の少年部員らは4月2、3の両日、教会道場で「お泊まり学習会」を開き、22人が参加しました。
当日は、暖房を止め、電気も最低限しか使わないと決めました。寒さの中、厚着して毛布や寝袋にくるまり、懐中電灯を頼りに一夜を過ごしました。犠牲となった人々に、慰霊の思いを込め白い千羽鶴を折りました。「被災地の子供たちは、窮屈な場所で暗くて寒い思いをしてるんだよね」。参加者は避難所の生活に思いをはせました。「夏休みには、子供たちを教会に招待し、楽しい思い出を作りたい」。そんな思いを胸に、参加者は今、家庭で率先して節電や節約を心がけています。
アメリカからぬくもりの恩返し
念願のエジプト旅行を叶(かな)えるため、エスター・ウォルターズさん(69)=ニューヨーク教会=は定年退職後、年金からコツコツと旅費を貯(た)めてきました。そんな中、東日本大震災の知らせを聞きました。「日本のメンバー(会員)は無事だろうか」。
ウォルターズさんは18年前に初めて本部を訪れて以来、何度も本部に参拝しました。来日のたびに大聖堂や教会では、多くの会員が優しく気遣ってくれました。そのぬくもりがウォルターズさんの胸にありました。
迷わず、旅費の全額を会員の義援金に充てることを決めました。「私たちは同じ地球に暮らす家族。恩返しをさせて頂きたくて」。1万キロ離れたボストンから、会員の無事と被災地の早期復興への祈りを込めました。
職能生かして避難者に笑顔
4月中旬、奥羽ブロックの弘前教会会員19人が釜石教会でボランティア活動を行いました。内装業を営む三浦さんは、同ブロックの教務員と共に被災会員が入居する予定の市営団地で内装の修繕作業にあたりました。
市営団地は、もともと取り壊される予定でしたが、被災者用の仮設住宅に充てられました。そのため部屋は荒れた状態でした。三浦さんは、ボロボロのふすまに持参したクロスを一枚一枚丁寧に張りました。2日で2軒分のふすま約40枚を補修しました。「まるで新築のよう」と入居予定の会員。三浦さんは「避難生活を送る会員さんに、少しでも安心して休んでもらいたい」と語りました。
息子の不在に実情の重さを知る
安城教会組長は、3月下旬、震災ボランティアのため仙台に向かう長男を見送りました。余震が続き、電気や水道なども整わない中での生活や作業を思うと心配は募りました。
5日後、無事に帰宅した長男から、避難所の人たちは震災のショックを抱え、帰宅のめども立たず、隣の人との仕切りもない中で不自由な生活を送っていると聞きました。長男を心配しながら過ごした日々を通して、改めて被災者の不安な心やつらさに思いをはせることができました。「皆さんが一日でも早く心安らげるよう、祈願供養を通して願わずにはいられません」。
(2011.05.06記載)
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