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2011年05月28日 第8回奈良県宗教者フォーラム開催

『神と仏と日本のこころ』をテーマに5月28日、「第8回奈良県宗教者フォーラム」(主催・奈良県宗教者フォーラム実行委員会)が、奈良県吉野町の吉野山ふるさとセンターで行われ、県内の宗教者や市民ら約350人が参加しました。

同フォーラムは、奈良の宗教者が一堂に会し、日本人の伝統的な精神性を見つめ直し、現代社会での宗教の役割を考えるものです。立正佼成会の理念である宗教協力を推し進める意味で、奈良教会も設立当初から携わり、運営の一端を担っています。同教会の会員も毎年、天理教スタッフと共に参画しています。
フォーラムでは、修験道の聖地である金峯山寺(奈良・吉野町)の田中利典執行長が基調講演。修験道とは、自然の一つひとつに神仏を見いだし、祈りを捧(ささ)げ、神仏を分け隔てなく尊ぶ、多神教的な日本独特の民族宗教であると解説しました。
また、その宗教観を伝える上で、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染の問題に言及。報道の中で、自然災害の規模が「想定外」との言葉がしばしば聞かれたことに触れ、「自然はもともと想定外にあるもの。古来、日本人が抱いてきた自然に対する畏怖(いふ)、畏敬(いけい)の念を忘れ、人間の都合で自然をとらえてきたことが大きな被害をもたらしたともいえる。今こそ、日本人が神、仏、先祖、自然に対する祈りの心を取り戻すべき時ではないか」と述べました。
続いて、『歴史にみる修験』をテーマにパネルディスカッションが行われ、神道、仏教、天理教に見られる修験道とのかかわりなどが紹介されました。
フォーラムに先立ち、金峯山寺蔵王堂で、五條覚堯同寺管長を導師に「東日本大震災慰霊追悼及び復興祈願祭」が執り行われました。

(2011.06.10記載)