仙台市の電力ホールで行われたコンサート。アンコールでは「故郷」が演奏され、観客たちが心を一つに大合唱した
東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)は6月3日、東日本大震災で被災した青森・八戸市を訪れ、「明るい社会づくり運動県南地区協議会」主催の震災復興応援演奏会に出演しました。5日には、宮城・仙台市でチャリティーコンサートを開催。両日の演奏では、仙台フィルハーモニー管弦楽団正指揮者の山下一史氏が指揮を担当しました。
会場には中学校や高校の吹奏楽部に所属する学生らが多く詰めかけた(仙台市)
TKWOの両被災地での演奏は、立正佼成会の東日本大震災救援・復興支援事業の一環として行われたものです。当初、演奏ツアーの中に組み込まれていた両地での演奏会が震災のため中止となり、その後、改めて、被災地の市民を対象に入場無料で行われることになりました。
『東北に元気を! 八戸に元気を!』をテーマに行われた八戸市公会堂での演奏会には約1600人が来場しました。
同市は、地震と津波により八戸港や百石漁港などに大きな被害を受け、一時、9257人が避難生活を余儀なくされました。
当日は、全日本吹奏楽コンクールの今年度課題曲のマーチ「ライヴリー アヴェニュー」など12曲を演奏。「シャウティン・ライザ・トロンボーン」では「八戸小唄」「津軽海峡冬景色」など地元にちなんだ楽曲も盛り込まれ、会場を盛り上げました。
5日、TKWOは仙台市の電力ホールで、「復興応援吹奏楽特別コンサート」を開催し、仙台フィルハーモニー管弦楽団の管打楽器メンバーと共演。昼と夕の2回のコンサートでは計約2千人の市民が会場を埋めました。
コンサートでは冒頭、バッハ作曲の「G線上のアリア」を演奏し、震災の犠牲者を追悼。アンコールでは「故郷(ふるさと)」が演奏され、大合唱となりました。
指揮を務めた山下氏は「音楽家として、被災者の復興を願い、今後も最善の努力を続けていきたい」と語りました。
演奏会終了後、団員たちは地元の中学生らと共に募金に立ち、協力を呼びかけた(八戸市)
(2011.06.10記載)
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