シンポジウムでは、MDGsの進展と今後の課題について議論された
国際シンポジウム「MDGs(ミレニアム開発目標)達成のために今、何をするべきか?」が6月1日、東京・渋谷区のJICA地球ひろば講堂で行われました。同シンポジウムはWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会とJANIC(国際協力NGOセンター)、NGO(非政府機関)ネットワーク「動く→動かす」の共催によるものです。2、3の両日に日本政府主催により開催された「MDGsフォローアップ会合」のサテライトイベントとして実施されました。当日は、宗教者やNGO関係者ら約230人が参加しました。
MDGsとは、極度の貧困や飢餓の半減、初等教育の完全普及、HIV(エイズウイルス)のまん延防止など、国連加盟国と国際機関が2015年までに協力して達成することに合意した八つの目標。同日本委もその達成に向け、努力を重ねています。昨年、立正佼成会も参画した「ARMS DOWN! 共にすべてのいのちを守るためのキャンペーン」(主催・WCRPグローバル・ユースネットワーク)では、目標の一つに「全世界の軍事費の10%を削減し、2015年までにMDGsの達成のために使用すること」を掲げて取り組みました。
シンポジウムでは、共催団体を代表し、WCRP日本委監事で日本ムスリム協会理事の樋口美作師が開会あいさつ。東日本大震災で各国から日本に精神的、物質的支援が届けられたことに触れながら、「世界には温かい手の届かない大勢の貧しい人たちがいます。この人たちは紛争や環境破壊などによる犠牲者です。国際社会は課題を共有し、こうした人たちを救わなければなりません」と述べました。
続いて第1部では、外務省国際協力局の藤原聖也審議官が『日本政府によるMDGsの取り組み状況報告』と題して講演。日本独自に打ち出している保健、教育の両分野の施策について説明しました。
第2部では、『MDGsに取り組むNGOからのメッセージ』をテーマに、NGOなどの代表5人が登壇し、貧困や紛争に苦しむ世界の現状を報告。これを受けて第3部では、『MDGs達成をどのように盛り上げていくべきか』と題してパネルディスカッションが行われ、NGOの役割や市民との協力に基づく活動の拡大などについてフロアとともに意見が交わされました。
(2011.06.10記載)
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