国際シンポジウム「対話を通じての平和構築」が11月19、20の両日、東京・港区のアラブ・イスラーム学院で行われました。同シンポジウムはサウジアラビアのアブドッラー国王センターとイマーム大学、同志社大学一神教学際研究センターの共催によるものです。宗教者や研究者ら約100人が参加しました。WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会平和研究所の眞田芳憲所長が出席しました。
同シンポジウムは、サウジアラビアのアブドッラー国王の主導と後援により、2008年7月にスペイン・マドリードで行われた「国際諸宗教対話会議」(イスラーム世界連盟主催)の席上、異なる宗教・文化間の対話、共存、寛容の重要性を訴えて採択された「宣言」を受けてのものです。同会議には、本会から庭野日鑛会長が招聘(しょうへい)を受け出席しました。平和構築に向けた宗教間対話をより一層進めようと今回のシンポジウムが企画されました。
19日、『平和とは? その目的・アプリケーションと実践の方法』と題した「セッション2」では、眞田所長が『平和構築と宗教者の役割』をテーマに発言しました。この中で、10年前の米同時多発テロは「報復」という「新たな争い」を始めただけでなく、21世紀の世界を「不信社会」「監視社会」へと変容させたと指摘。国や民族、宗教が壁をつくり、他者との対立がさらに深まったと話しました。
一方、そうした背景を踏まえ、諸宗教間の対話・協力を通して紛争の和解を目指し、宗教コミュニティーと政府、国連、多国間機関との協力関係を強化する活動も数多く展開されてきたと説明。WCRP日本委が09年から行ってきたイスラーム指導者との会議やシンポジウムを紹介し、「真の平和を構築するためには、国や宗教、そして何よりも心の壁を乗り越えて互いに違いを認め合い、共に生きるという意識が必要です。その基盤を構築するのが宗教の力で、宗教者の使命であります」と訴えました。
20日の「セッション6」では、『宗教対話による平和構築--イスラームと日本の文化的視点からの提案』と題してWCRP日本委評議員の黒住宗道・黒住教副教主が発表しました。
(2011.11.25記載)
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