参加者は、記念講演や「グループ別話し合い」を通し、教育者として自らの心を耕す大切さを確認した
『心を耕す教育者をめざして~絆 こころ ひとつに~』をテーマに、教育者教育研究所主催による「平成24年次全国教育者研究大会」が2月11、12の両日、法輪閣で開催されました。全国から現職の教師はじめ教育関係者ら600人が参加しました。
開会にあたり、立正佼成会を代表して沼田雄司教務局長があいさつに立ちました。沼田局長は同大会を通して仏教を学び、教育現場の中で活用するとともに自らの成長につなげるよう参加者を激励しました。次いで、北村泰章所長が今年の「年次方針」を発表しました。
このあと、『執(と)らわれない心』をテーマに福聚山慈眼寺(仙台市)の塩沼亮潤大阿闍梨が記念講演を行いました。塩沼師は、奈良県の大峯山での千日回峰行に取り組んだ体験を紹介し、体調を崩す中、母と祖母が心の支えとなり、厳しい修行に耐えることができたと述懐。「慈しむ愛で思ってくれる人がいると分かるだけで、人間はつらいことを乗り越えられるのです」と語りました。また、「怨憎会苦(おんぞうえく)や求不得苦(ぐふとつく)などのとらわれの心をなくすためには、捨てる、許し切る、忘れ切るということが大事。それが真理の世界へ導くための跳躍台になります」と解説し、「どんな人に対しても、思いやりの心で触れ合うことが大切です」と述べました。
翌12日には、実践発表。小学校教諭の会員は3年前、初めて4年生の担任を務めたときに、「学級崩壊」に近い状況に直面しました。はじめは、早く良い学級をつくらなくてはという焦りばかりが先行していたが、子供を信じ、ありのままを受け入れる努力をした結果、生徒たちは落ち着きを取り戻し、クラスの雰囲気が明るくなったと喜びを報告しました。保育園を経営する会員は東日本大震災で被災。東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染の恐怖を抱える中で、父母らの不安な思いを受けとめ、またさまざまな問題を皆で共有することに努めてきたと語り、「困難な中でも職員や保護者と手をとり合い、支え合うことの大事さに気づかせて頂きました」と発表しました。
続く「まとめの講義」では、専門所員の大谷津晴央氏が教育現場でのさまざまな課題を乗り越えていくには「四諦(したい)の法門」と「八正道」を実践することが重要と話しました。
このほか、「グループ別話し合い」が行われ、参加者は生徒や児童にかかわる姿勢や職場の人間関係について意見を交換しました。 最後に来賓を代表して、前文部科学副大臣の鈴木寛参議院議員があいさつしました。
(2012.02.17記載)
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