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2012年08月30日 「人間と科学」研究学会が研究大会 3・11からの新生 考える

中央学術研究所の「人間と科学」研究学会による「第24回研究大会」が8月25日、東京・港区の南青山会館で開催されました。テーマは『3・11からの日本の新生を考える』。同学会のメンバーや東京教区の会員ら65人が参加しました。

同大会は、東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故後の日本社会や企業の課題を検討し、日本人の生き方を見つめ直そうと企画されたもの。当日は、中小企業診断士で株式会社ファインビット代表取締役社長の中村中氏が『3・11からの日本の新生を考える-日本の地域金融行政と今後の中小企業の心構え』をテーマに基調講演を行いました。
中村氏は、震災後、被災地では地域コミュニティーの中で人々の相互扶助や連帯の精神が強まったと指摘。一方、がれき処理や原発事故後の対応などの遅れ、不備を挙げ、非常事態に備えていない国家や企業のシステムを是正することが日本の新生に不可欠と強調しました。
また、3年前に中小企業の支援を目的として施行された「金融円滑化法」に触れ、震災以降も同法の適用により、返済期間が猶予されたことを報告。しかし、時限立法である同法は来年3月末で期限を迎え、それ以降に融資先の経営悪化が多数に上れば、今後、不良債権の増大による経済恐慌が起こる危険があるとの考えを示しました。各中小企業には、自社の経営状況を開示し、今後の経営計画を明確にしていくことが求められると述べました。
続く「問題提起と発表」では、東京大学大学院教授の小池俊雄氏が『3・11と環境問題について-不確実な中での意思決定とレジリエントな社会』と題し、近年の気候変動の要因や対策を紹介。中央学術研究所客員研究員の佐藤武男氏は、『福島原発と今後のエネルギー問題』をテーマに、再生可能エネルギーへの転換に向けた課題などを発表しました。このあと、中村氏を加え、パネルディスカッションが行われました。

(2012.08.31記載)