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2012年08月31日 新宗連「第22回教団人セミナー」 東工大教授 上田氏迎え講演会

新宗連(新日本宗教団体連合会)の「第22回教団人セミナー」が8月31日、東京・渋谷区の新宗連会館で開催されました。加盟教団の代表、役員ら約30人が参加。本会から渡邊恭位理事長が出席しました。

同セミナーは、宗教や教団運営のあり方について学習を深め、現代社会の中で宗教の働きを一層高めていくことが目的。新宗連結成60周年記念事業の一環として『現代日本の宗教状況と教団人の動き』をテーマに5回の開催が予定され、今回は4回目となります。
当日は、『無縁社会に「縁」を創り上げる宗教』と題し、文化人類学者の上田紀行東京工業大学リベラルアーツセンター教授が講演しました。
上田氏は、人とのつながりが希薄化している現代社会の状況を報告するとともに「苦しんでいても誰からも助けてもらえない」という孤立・孤独感が人々の中で大きくなっていることが「無縁社会」と呼ばれる一因と説明。この中で人を救うには、多くの人と慈悲の心で触れ合う縁を宗教者自身が今まで以上に積極的につくり出す必要があると強調しました。また、そうした志と行動力を持った宗教者が集う「思いやりの場」が地域に築かれていくことが社会で求められていると訴えました。
さらに、不景気が続く今こそ経済を最優先した社会のあり方を見つめ直し、人の心や精神的な豊かさに焦点を当てていかなければならないと指摘。「そのために、宗教者には大きな役割を果たしてほしい」と述べました。
このあと、グループディスカッションを実施。全体会では、各班から討議内容が報告されました。

(2012.09.07記載)