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2012年09月04日 カンボジアのムン宗教相が来会 庭野会長と懇談

カンボジアのムン・クン宗教大臣が9月4日、夫人と共に立正佼成会を訪れました。ムン大臣は大聖堂で行われた「開祖さまご命日」式典であいさつを述べたあと、大聖堂特別応接室で庭野会長と懇談しました。

同国は1970年から20年以上続いた政治の混乱や独裁政治の圧政、内戦で疲弊。内戦終了後、仏教の復興による国家再建を図る同国に対し、本会はこれまで「一食(いちじき)平和基金」を通し「カンボジア国立仏教研究所」を再建するなどの支援を行ってきました。同研究所の第2期工事の竣工(しゅんこう)から10年が経過した今年1月には、同基金運営委員会委員長の沼田雄司教務局長がカンボジアを訪問。ムン大臣と面会し、研究所の現状や今後の役割について意見を交わしました。
今回の来会は、「長年にわたる支援に国を代表して謝意を表したい」というムン大臣の要望によるもの。相互理解の推進とさらなる協力関係構築に向けて実現の運びとなりました。
式典の席上、あいさつに立ったムン大臣は、仏教を基盤とした国家再建に言及し、同研究所による仏教研究やクメール語の仏教書籍の出版は国を支える重要な知的財産と強調。書籍は仏教教育などで活用されていると説明し、「皆さまの温かい支援は人々の品性を高め、倫理観、道徳観の高揚に役立っています」と述べました。
このあと、ムン大臣夫妻は大聖堂特別応接室で庭野会長、佳重夫人と懇談しました。本会から沼田教務局長が同席ました。
席上、庭野会長は10年前に同研究所第2期工事落成式に出席するためカンボジアを訪問した当時を述懐。ムン大臣は、治安が改善され、観光客が倍増するなど順調な経済成長を続ける現状を紹介し、「カンボジアの発展の様子を見に来て頂けたらうれしい」と語りました。 なお、これに先立ち3日、ムン大臣は都内のホテルで渡邊恭位理事長と面会。同国の仏教教育、その推進に向けた研究所の役割などについて意見を交換しました。

〈メモ〉 カンボジアでの仏教弾圧

カンボジアでは1975年から79年まで、ポル・ポト政権による圧政で学校教育の廃止や劣悪な環境下での強制労働などの政策が進められ、教師や僧侶など識者を中心に約200万人が虐殺されました。また、国民の精神的支柱である仏教を弾圧。「カンボジア国立仏教研究所」(21年設立)が所蔵していた経典、書籍の大半が焼却されました。

(2012.09.14記載)