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2012年09月15日 「新佼成病院」地鎮式 法輪閣北側に移転新築


新佼成病院建設予定地で行われた地鎮式。約200人の参列者を前に庭野会長が謝辞を述べた

「新佼成病院」建設に向けた地鎮式が9月15日、法輪閣北側の建設予定地(東京・杉並区和田2丁目)で行われました。同式には庭野日鑛会長、庭野光祥次代会長、神保好夫佼成病院院長をはじめ、教団役職者、病院職員が出席。さらに、建設を請け負う竹中工務店の竹中統一取締役社長をはじめ関係者が参列しました。工事期間は平成26年6月までを予定。地下1階、地上10階(一部地上4階)の新病院が建設され、東京都二次救急指定医療機関、地域災害拠点病院としての役割を担います。


完成予想図(Copyright 2012 Takenaka Corporation) ※掲載CGイラストは計画段階のものであり、計画・施工上等の理由により変更となる場合があります

庭野会長が出席

中野区にある現在の佼成病院は老朽化が進み、懸念される首都直下型地震への備えなどについて議論されてきました。数年にわたる検討の結果、新佼成病院の移転建設が平成22年3月の理事会、評議員会の承認を経て決定されました。これを受け、杉並区に土地を購入。同4月10日には前田きみ子同病院副院長(当時)を座長とする「新佼成病院開設委員会」(教団、病院の役職者と医療福祉に精通した会員の代表13人の委員、3人の部会長で構成)が発足しました。
以降、同病院の理念である『真観』を基に、新病院のあり方を検討し、基本方針を設定。昨年3月には、理事会で承認された基本設計を踏まえ、請負業者を選定する入札を実施し、竹中工務店への依頼が決定しました。
同4月から開設委員会は第2期を迎え、新佼成病院開設推進室室長を兼ねる川端健之総務局長が委員長に就任。教団、病院の代表と竹中工務店の担当者による建設会議が毎週開催され、施設や工事計画に関する議論を重ねてきました。また、昨年には、東京都と杉並区の条例に基づき、住民説明会を2回実施しました。
本計画開始当時から行政との協議を重ね、建設のための各種申請手続きを進めてきました。最終的に法令に定められた民間審査機関の確認を経て建築許可を得、9月15日に地鎮式が行われました。
当日は約200人が出席する中、川端同室長を導師に読経供養が営まれました。続いて、竹中工務店東京本店の雨宮貴美雄作業所長を先導に庭野会長、光祥次代会長、神保院長による「散供の儀」、神保院長、庭野会長、竹中社長による「鍬(くわ)入れの儀」が行われました。

地域に信頼され貢献できる病院に

あいさつに立った竹中社長は、佼成病院が「新たな地で、地域の皆さまに信頼され、患者さま、病院関係者に喜ばれる施設となりますよう、当社の技術の総力を結集し、品質第一につくりこんでいく所存です」と述べました。
最後に庭野会長が謝辞に立ち、今年60周年を迎えた同病院の歩みに触れながら、新病院建設の経緯を説明。今回の建設に伴い、「『真観』~正しく観て 正しく手当てする~」を理念に掲げたことを報告し、「一般診療の充実はもちろんのこと、救急医療体制も備えた地域災害拠点病院として、地域住民の皆さまに信頼され、貢献できる病院を目指して、これからも歩んでまいります」と述べました。

◆建設概要

敷地面積 1万3841平方メートル
延床面積 3万5433・11平方メートル
地下1階、地上10階(一部4階)
病床数340
免震構造による建築

新佼成病院建設の経緯 開設委員会委員長 川端 健之

現在、中野区にある佼成病院の病棟は老朽化が進み、首都直下型地震にも耐え得る耐震性を確保するため、今後のあり方について議論が続けられてきました。一昨年3月、新病院の移転新築が計画され、同4月10日に「新佼成病院開設委員会」が発足しました。
開設委員会発足式の席上、会長先生は「佼成病院も、新たな創造の時代に入りました。良き伝統は受け継ぎ、改革が必要なものは改革し、地域社会に喜ばれる病院にして頂きたいと思います」と述べられました。この心構えを頂き、開設委員会では、今後の病院の方向性を明確に示すところから検討しました。
佼成病院は昭和52年より、法華経の『観世音菩薩普門品』から開祖さまが取られた『真観』を理念に掲げています。今回の建設に伴い、開祖さまの願いとこれまでの伝統、今日の時代性を踏まえ、「『真観』~正しく観て 正しく手当てする~」を新たな理念として掲げることになりました。
加えて、「われわれは、1.『からだ』・『こころ』・『いのち』を一つと観る全人的医療を行います。2.患者さんと家族に信頼され、地域で喜ばれる病院を目指します。3.誇りと願いを持ち、温かいふれあいを実践します」の基本方針を定めました。建物が新しくなるとともに、佼成病院に携わる一人ひとりが「地域に喜ばれる病院に」の意識を強く持って自らの役割を全うしていく決意です。
新佼成病院建設の請負業者は6社の入札の結果、竹中工務店に決まりました。本会の社会事業の目的や医療者の使命に基づき、「環境への配慮」「地域への貢献」「進歩する医療に対応するフレキシブルな建築・構造・設備システム」をコンセプトに設計されました。2年近くの工期を経て、地下1階、地上10階の新病院が建設されます。
佼成病院は東京都から二次救急医療機関、災害拠点病院に指定されており、新病院では救急外来診療の充実を図った設計がなされています。入院病棟は個室と4人部屋からなり、4人部屋は現在よりも1床あたりの面積を拡張し、療養環境の向上を図ります。
今回の建設にあたり、渡邊恭位理事長は一昨年6月27日付の佼成新聞で『新佼成病院開設に向けて』と題する談話を発表し、会員の皆さまにご意見、ご提言をお願いしました。これに対し、全国から114件のご意見を頂戴(ちょうだい)しました。開設委員会ではそのすべてに目を通し、建設に反映させて頂きました。今後の病院運営にも活用させて頂きます。お寄せくださった方々に改めて感謝申し上げます。
現在、医療技術の進歩は目覚ましいものがあります。新たな治療法も確立され、多くの方に希望をもたらしてもいます。一方、機器が進歩した結果、医療者は検査の結果や数値ばかりを注視して「患者そのものを見なくなった」という厳しい声も聞かれます。どんなに医療が発達しても、人間は「生老病死」の苦から逃れることはできません。だからこそ、患者を理解し、人間性にあふれた医療が一層求められていると思います。
佼成病院は昭和27年に設立され、今年で60周年を迎えました。地域の方から信頼され、多くの人々の健康を守る人生のパートナーになれるよう努力してまいります。そして、全国の会員の皆さまの誇りとなれることを願っております。今後ともご理解とご協力をお願い申し上げます。

(2012.09.21記載)