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2012年10月05日 「第11回教団付置研究所懇話会・年次大会」震災と宗教について意見交換

「第11回教団付置研究所懇話会・年次大会」が5日、滋賀・大津市の天台宗務庁で開催され、25の研究機関から102人が参加しました。立正佼成会からは中央学術研究所の川本貢市所長、藤田浩一郎同学術研究室室長らが出席しました。

同懇話会は、各教団に付置された研究機関が宗教、宗派の違いを超えて交流や情報交換を行い、協力の可能性を探ろうと2002年に発足したもの。年次大会を開催するほか、「自死問題」「生命倫理」「宗教間対話」の各研究部会による専門的な取り組今回の懇話会では、東日本大震災の発生から1年半を経たことを踏まえ、大震災と宗教について発表、意見交換が行われました。
天台宗務総長で同宗総合研究センター理事長の阿純孝師、同センター長の小林隆彰師のあいさつで開会。このあとNCC(日本キリスト教協議会)宗教研究所の勝村弘也神戸松蔭女子学院大学教授、真宗大谷派教学研究所の武田未来雄所員、宗教情報センターの川村裕之氏=真如苑東北本部、日蓮宗現代宗教研究所の髙佐宣長主任がそれぞれ発表を行いました。
勝村氏は『破局の中で生きる』と題して被災地域への援助活動に加え、平成7年の阪神・淡路大震災での被災、また支援に取り組んだ体験を語り、多くの人とつながりを持つ大切さや、被災者の「復興」に個人差があることを強調しました。
次いで、武田氏が『大震災と宗教~真宗大谷派の活動とそこから問われていること』、川村氏が『「祈り」と「社会支援」で大震災と向き合って』をテーマにそれぞれ報告。これまで自教団が実施してきた救援活動の内容とその推進、とりわけ被災者支援にあたって重視された、信仰を基盤とした心づくりなどについて説明しました。
最後に登壇した髙佐氏は、『震災天罰論をめぐって~日蓮宗の立場から』と題して発表。識者らの発言に対して日蓮聖人のさまざまな遺文を挙げて解説し、「天罰論」を否定しました。
このあと開催された総会では、各部会の報告がなされたほか、次期受け入れ事務局や実行委員研究所の選出が行われました。

(2012.10.14記載)