2012年10月16日
WCRP日本委会 米のイスラーム指導者招き学習会
『アメリカにおけるムスリム増加の背景と反イスラーム感情の中での諸宗教間対話の実情』をテーマに、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の学習会が10月16日、大聖ホールで開催され、米国のイスラーム指導者ユースフ・エステス師が講演しました。同委員会役員や関係者ら約40人が参加しました。イスラームに対する正しい理解を深めるとともに、諸宗教間対話を促進するのが目的。
講演の中でエステス師は、メディアなどの影響でムスリム(イスラーム信徒)とテロ活動が直接的に結びつけられるなど、イスラームに対する誤解や偏見が広がっている状況に危惧を表明。「イスラーム」という言葉は「神への完全な献身、服従」「誠実、純粋」「平和」などを意味し、多くのムスリムは誠実、純粋な心で、すべての人々の幸せや平和を祈り、生活していることを伝えました。
また、イスラームの預言者ムハンマドを中傷する映画が米国で制作されたことに触れ、ムハンマドをけがすことは、ムスリムにとって最大の侮辱であると解説。各地に広がるムスリムの抗議活動に理解を示しました。
一方で、抗議活動の際に発生した米国のリビア大使殺害事件には明確に非難の意を表明。「イスラームはテロを認めていない。暴力行為を行っている時、その人はムスリムとはいえない」と語りました。
さらに、今回、広島を訪れ子供たちと交流したことに言及。原爆の被害に対し恨みではなく平和の心で向き合う姿に感動したことを伝え、「復讐(ふくしゅう)と報復の連鎖が続く世界で、広島の子供たちのような心と行動が地上に平和をもたらす。そのことを世界中のムスリムに伝えたい。自分とは違う人たちといかに生きていくかを教えることが大事」と述べました。
(2012.10.26記載)
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