宮城・せんだいメディアテークで2月22日、「心の相談室」主催、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会協力による東日本大震災メモリアル・シンポジウム『忘れないために~震災後を生き抜くヒント~』が開催され、市民ら約100人が参加しました。
「心の相談室」は震災後、被災者の精神的なケアを目的に宗派宗教を超えた宗教者が集って発足した組織。電話相談、仮設住宅などを訪問する傾聴移動喫茶「カフェ・デ・モンク」を行っています。2011年10月からはWCRP日本委の支援によって、1年間にわたってラジオ版「カフェ・デ・モンク」を放送しました。
シンポジウムでは、同番組に出演した玄侑宗久師(福島県三春町・福聚寺住職、作家)、松村豪太氏(一般社団法人ISHINOMAKI2.0代表理事)、山内宏泰氏(気仙沼リアス・アーク美術館学芸係長・学芸員)、前島宗甫師(WCRP日本委理事、元日本キリスト教協議会総幹事)の4人がパネリストを務めました。コーディネーターは同番組パーソナリティーの板橋恵子氏。この模様はUSTREAMで生中継されました。
パネリストは震災から2年が経つことを踏まえ、それぞれの取り組みや気づきなどについて発言。福島第一原発事故の問題や時間の経過による人々の心の変化などについても意見を交換しました。
この中で玄侑師は今回の震災を教訓としながらも、新たな生活を築く上で絶対的な確信を持つ危険性を指摘。「執着はなくて、いつでも変われるというスタンスがよい」と述べました。前島師は「忘れないために」というシンポジウムのテーマを踏まえ、見えるもの、感じられるものとして被害や教訓を伝える震災の遺構などが残されることを希望し、「関心が薄れていくことが一番怖い。人間が互いに関心を持たないことほど怖いものはないのです」と語り、継続して被災地、被災者へ心を寄せる大切さを強調しました。
なお、シンポジウムの模様はラジオ特番として仙台(Date fm)、大阪(FM OSAKA)で10日午後8時から、東京(TOKYO FM)では翌11日午後8時から、それぞれ55分にわたって放送されます。
(2013.03.01記載)
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