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2013年05月01日 アンダーソンWFP日本事務所代表 大聖堂式典であいさつ

WFP(国連世界食糧計画)日本事務所代表のスティーブン・アンダーソン氏が5月1日、立正佼成会を訪れ、大聖堂で行われた「朔日(ついたち)参り」式典であいさつを述べました。

WFPは、飢餓と貧困の解消を目指して世界各国で食糧支援を行う国連機関。本会は23年前から、一食(いちじき)平和基金を通じてWFPの活動を支援しています。アンダーソン氏は今年3月、新たに日本事務所代表に就任しました。
同氏は1日、大聖堂の聖壇控室で庭野会長、庭野光祥次代会長と面会したあと、式典であいさつに立ち、長年にわたる本会の支援に謝意を表しました。
その後、事務庁舎特別応接室で渡邊恭位理事長と懇談。同基金運営委員会委員長の沼田雄司教務局長が同席しました。
懇談の中で同氏は、WFPが栄養強化食品の開発を進め、特に支援が必要な乳幼児に重点的に配布していることなどを報告。渡邊理事長は、「各国が信頼関係を構築し、削減した軍事費を平和の実現に向けて役立てるべきというのが、庭野日敬開祖の願いでした」と伝えました。
このあと、国連WFP協会から同基金に感謝状が贈呈されました。

アンダーソン代表あいさつ 要旨

今、世界では約8億7千万人が飢餓に苦しんでおり、その98%が開発途上国の人々です。人間は必要なエネルギーを摂取できないと、脳の働きが鈍くなり体の免疫力も低下します。毎年、飢餓で亡くなる人はエイズやマラリアなどの患者よりも多く、中でも子供や妊婦への影響は深刻です。
貧困により教育の機会を得られない子供も大勢います。経済的に苦しい家庭では、子供を働かせるため親が学校に通わせないケースも多く見られます。
WFPは現在、世界75カ国で食糧支援事業を展開しています。また、学校給食を提供し栄養不足の改善と就学率の向上にも取り組んでいます。支援国が自主的に事業を展開できるよう、各国政府や非政府機関などと対話を重ね、パートナーシップを築くことにも力を注いでおります。
こうした活動により、ブラジルやロシアなどでは貧困の状況が大幅に改善され、今では支援する側になりました。災害や紛争により支援活動が滞ることもありますが、あきらめずに努力すれば必ず飢餓問題は解決できると強く感じます。
立正佼成会の皆さまは約40年前に「一食を捧げる運動」を始められ、「一乗精神」に基づき人々への支援を続けておられます。WFPにも多大なご寄付を頂き、近年はブータンでの「学校給食プログラム」、アフリカ北東部で発生した大干ばつの被災者支援などに浄財を役立てさせて頂きました。日常生活の中で飢餓の問題に関心を高め、平和を祈り、行動する皆さまの姿に大きな感銘を受けました。今後、多くの人に一食運動の素晴らしさを伝えたいと考えております。
すべての人がより良い世の中をつくる力を持っています。一人ひとりの行動は、多くの子供たちとその家族の生きる希望につながります。皆さまの継続的で寛大なご支援に深く感謝させて頂くとともに、素晴らしい世界を一緒に築けるよう私たちも努力を続けます。

(2013.05.12記載)