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2013年05月22日 KAICIIDのワークショップ 光祥次代会長が参加


異なる宗教、文化を持つ「他者」のイメージを良くする方法を、それぞれの経験に基づいて紹介し合った

KAICIID(アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター)による活動プログラム「他者のイメージ」の「教育」分野のワークショップが5月22日、オーストリア・ウィーンの外交官養成アカデミーで行われました。宗教者、教育関係者ら約120人が参集。立正佼成会からはKAICIID理事の庭野光祥次代会長が参加、根本昌廣外務部長、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の和田めぐみ渉外部長が同行しました。

 

「他者のイメージ」プログラムは、「教育」「メディア」「インターネット」の3分野で、諸宗教・異文化間の理解と対話を促進するもの。多様な価値観に対する無理解、不寛容をなくし、差別や争いのない世界の構築を目指しています。「MCC(子供の生存と幸福な生活のための諸宗教による協働)」や「フェローズ」(青年宗教者の対話促進)と並び、KAICIIDが進めるプログラムの中核をなしています。
特に「教育」分野では、諸宗教・異文化教育に取り組む教育者や宗教者の育成と教材の開発が目的です。その一環として、ワークショップが今年、世界の4地域で行われ、各地の学校で行われている教育事例を紹介し合います。初回にあたるウィーンでのワークショップには、ヨーロッパ地中海地域の宗教者、研究者、教育関係者らが参集しました。
パネルディスカッションでは、歴史、教育、メディアの観点から5人が問題点と解決方法などについて提言。「異なる宗教・文化に対するイメージを変えるには、学校教育だけでなく日常生活での価値観の改革が必要」「まず自分自身を理解することが必要」「異なる宗教の価値観は、体験を分かち合うことで共有できる」「出会いがなければ変革はない」といった意見が出されました。
このあと参加者は9グループに分かれ、「他者」のイメージを良くする方法について話し合いました。「出会うための対話・交流プログラムが必要」「良い事例や調査結果の共有」「貧困、環境などの地球的課題について意見交換し、互いの価値観を理解する」「まず学校の教師が変わる」など体験に基づく提言が出されました。
この中で、光祥次代会長は、WCRPの諸宗教青年ネットワーク主導によって2010年に行われた世界の署名活動「ARMS DOWN! キャンペーン」に言及。「2千万人の署名を集めることができたあの時、世界の青年の心が一つになりました。共通の目的のための行動を共にし、一つのことを成しとげたあとに、相互理解のための教育をするのも一つの方法かもしれません」と、行動の重要性を強調しました。
「他者のイメージ」プログラムでは今後、ワークショップがアメリカ、アジア、アフリカ各地域で行われるほか、11月には世界会議が第9回WCRP世界大会と連動してウィーンで開催されます。

(2013.05.31記載)