庭野平和財団による第1回「葛巻町現地学習会」が7月4日から6日まで、岩手・葛巻町で行われました。立正佼成会の本部スタッフを含む11人が参加しました。
同学習会は、GNH(国民総幸福量)を指標に、豊かさの意味を考える取り組みの一環。自然エネルギーの開発を進める葛巻町の活動を学ぶために実施されました。
葛巻町は1999年、地域レベルで環境負荷の少ない自然エネルギーの開発を進めようと「葛巻町新エネルギービジョン」を策定。企業と協力して太陽光や風力、バイオマス(動植物から生じた資源)を利用した発電システムを導入してきました。現在、同町の総発電量は、町全体の電気使用量の約8割に相当します。
一行は同4日、同町農林環境エネルギー課の鈴口美知代氏から発電の取り組みについて説明を受けました。このあと、太陽光発電や地中熱ヒートポンプなどを利用する「くずまき型ゼロエネルギー住宅」、間伐材や端材で電気や温水を発生させる「木質バイオマスガス化発電設備」、家畜のふんや家庭の生ごみを使った「畜ふんバイオガスプラント」、袖山高原の風力発電施設を見学しました。
5日は、廃校を利用した「森と風のがっこう」を訪問。同施設が進める太陽光や風力を使った発電システム、コンポストトイレ、薪ボイラーなど天然資源を利用した発電の取り組みを視察しました。
また、ふれあい宿舎グリーンテージでは「森のそば屋」の髙家章子代表から、水車の動力を利用した伝統的なそば粉作りの方法を学びました。
6日には、同宿舎で『地域から考える気候変動とエネルギー』をテーマに、特定非営利活動法人「東アジア環境情報発伝所」の廣瀬稔也代表理事が講演しました。廣瀬氏は、葛巻町の取り組みに言及し、二酸化炭素排出量の削減や持続可能な地域社会づくり、視察や見学に訪れる人々の増加などが地域の活性化につながっていると説明。設備の維持・管理の負担など課題点も指摘した上で、「新たなエネルギーの生産場所として山間部をもう一度見直すことが大切」と語りました。
(2013.07.12記載)
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