2013年08月20日
新潟県宗教者懇話会15周年記念講演会 玄侑宗久師を迎え開催
『日本のこころと宗教の役割』をテーマに、新潟県宗教者懇話会(立正佼成会新潟、長岡、寺泊の3教会長が役員を務める)15周年記念講演会が8月20日、長岡市内のホテルで開催され、330人が参加しました。来賓として泉田裕彦・新潟県知事、森民夫・長岡市長らが列席しました。
同懇話会は平成10年、宗教者が垣根を超えて協力し、生命の尊重、相互扶助の精神を育むことをねらいに結成されました。
式典では、永田忠興会長(彌彦神社宮司)がその歩みを振り返りながら、「多くの方々の尽力によって15周年を迎えることができた」と謝意を表しました。
このあと、芥川賞作家で、臨済宗妙心寺派福聚寺住職の玄侑宗久師が、『両行と不二の国』を演題に講演を行いました。玄侑師は、異なる二つの性質を併せ持つ日本人の特徴について言及。「『両行』とは対をなすという概念で、どちらか一方を選ぶのではなく両方を承認するという考え方。日本人は両行を心がけて生きてきた民族で、対をなすことを大事にしてきた。この考えが、物事を生み出す日本古来の仕組みとして現在も成り立っている」と述べました。
さらに維摩経(ゆいまきょう)の「不二」の教えに触れ、「私たちは良いか悪いかという価値判断で物事を分けていることが多い。その分別を除去することで俯瞰(ふかん)した考えができるようになる。相反する二つの物事は別々に存在するのではなく、もとは一つ」と語り、「両行」と「不二」の概念が日本人の思考に深く結びついていることを紹介しました。
(2013.09.13記載)
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