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2013年10月16日 同宗連 第28回「狭山」現地調査学習会

人権擁護の立場から「狭山事件」について学ぶ「同宗連」(『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議)の「第28回『狭山』現地調査学習会」が10月16、17の両日、埼玉・狭山市富士見集会所などで行われ、加盟する12教団から32人が参加しました。

同事件は、1963年に同市で当時16歳の女子高校生が誘拐、殺害されたもの。警察は被差別部落に見込み捜査を行い、石川一雄さんを別件逮捕、裁判で無期懲役が確定(1994年仮出所)しました。しかし、証拠や自白に不可解な点が多く、石川さんも「無実」を主張。現在、東京高裁に第三次再審請求を申し立てています。
16日、石川さん夫妻の「今」を追ったドキュメンタリー映画『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』(今秋上映)の金聖雄監督が講演。在日韓国人として自身が経験した差別や社会的マイノリティーに対する偏見に触れ、「(自分と異なる)相手に抱く一方的なイメージが、差別につながっている」と語りました。また、石川さんを撮影した3年間を振り返り、「無実」を証明する難しさなどを語った上で世論喚起の必要性を強調しました。
続いて、『狭山事件の事実調べ・再審を求めて』をテーマに石川さんが講演。殺害現場から自身の毛髪が発見されず、被害者の遺留品や脅迫状からも指紋が検出されなかったことに触れながら、改めて「無実」を主張。被差別部落の住民が嫌疑をかけられた上、自身は取り調べの際に自白を強要されたことを明かし、「偏見による冤罪(えんざい)が生まれないよう差別を撤廃していくことが大事」と語りました。
翌17日には、安田聡・部落解放同盟中央本部事務局員の案内で、誘拐や殺害の現場などを見学するフィールドワークを実施しました。
また、代表者16人が東京高等検察庁と東京高等裁判所を訪れ、事件に関するすべての証拠の開示と公正な再審の開始を要請しました。

(2013.1025記載)