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2013年12月13日 日宗連 第2回宗教法人の公益性に関するセミナー

『震災復興と宗教』をテーマに、日宗連(日本宗教連盟)主催の「第2回宗教法人の公益性に関するセミナー」が12月13日、東京・渋谷区の神社本庁大講堂で行われ、宗教者ら約120人が参加しました。同セミナーは、東日本大震災で被害を受けた宗教施設の復興の現状を把握し、地域が進める新たなまちづくりとの間に介在する問題を考察することを目的としています。

当日は、民俗学者で、東日本大震災復興構想会議委員を務める赤坂憲雄・学習院大学教授が基調講演を行いました。赤坂氏は、被災地のある村では、死者の鎮魂供養を目的とした東北地方の民俗芸能「鹿踊(ししおどり)」が、震災後間もなく復活したことを紹介。震災を機に、日本人にとっての宗教の意義を再考する必要性を強調しました。
続いて、日宗連理事の石井研士・國學院大學神道文化学部長をコーディネーターに、パネルディスカッションが行われました。
この中で福島県宗教団体連絡協議会会長の丹治正博・福島県神社庁庁長は、福島第一原発事故などの影響で、県内の多くの宗教施設が「存続が非常に難しい状況」と説明。「地域の集会所」としての宗教施設の機能を挙げ、公的支援を求めました。
仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク(東北ヘルプ)事務局長の川上直哉・日本基督教団仙台市民教会主任担任牧師は、宗教の役割として、慰霊やグリーフケア(死別により悲嘆にくれる人に対する精神面のサポート)などが社会から期待されていることに触れ、神社や寺院に人を「集める」態勢から、宗教者が地域に出て、一人ひとりの魂に寄り添っていく、「訪問する」態勢への転換などを提言しました。

(2014.1.17記載)