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2014年02月19日 WCRP日本委 女性部会「いのちに関する学習会」

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会女性部会は2月19日、東京・渋谷区の聖心女子大学で「いのちに関する学習会」を実施し、同部会委員、賛助会員ら26人が参加しました。テーマは『持続可能な開発のための教育(ESD)――女性部会が取り組む「いのちのアンケート」を受けて』。

学習会では、同部会が実施した「いのちのアンケート」(いのちに関する意識調査、15歳から25歳までの男女2780人が対象)の結果を踏まえ、永田佳之・聖心女子大学教授(ユネスコ本部ESDモニタリング評価専門家グループ委員)が講演しました。
永田氏は、新たな教育ビジョンであるESDについて、「生きとし生ける者すべてが祝福されるような社会をつくるための基盤となる教育」と解説。具体的には、能率主義的な近代教育の反省に立ち、一人ひとりがすべての関係性の中で生きているという認識のもと、価値観や生活様式、行動を変え、社会問題に対処する力を養う教育であると説明しました。
その上で、アンケート調査では、「自らの『いのち』に対して否定的な感情を持っている」との回答が全体の18・4%(大学生では26・4%)、「自殺したいと考えたことがある」という回答が全体の7・2%に上ったことに言及。自殺者全体に占める20歳代の若者の率が高くなっている現状に触れ、課題となる「いのちの教育」について、ESDでも定義づけを進めていると紹介。「いのちの教育」とは、他者や自然環境への「ケア・関心を持つこと・つながりを感じること」との認識を示した上で、「自分自身へのケアがあって初めて他者や地球へのケアも成立する。まずは自身へのケアが大切」と強調しました。
さらに永田氏は、「いのち」についての意識で、「生かされている」「皆ひとつ」「奇跡である」「神の選び」といった、自我を超えた「いのち」を深くとらえた回答に着目。こうした霊的な感性はESDのエッセンスでもあると語り、女性部会とESDの取り組みの相互交流を提言しました。

(2014.2.28記載)