新佼成病院1階「観音ホール」で行われた「立正佼成会附属佼成病院 新築落成記念式典」。約200人の参列者を前に、庭野会長が「観音像」のレリーフの除幕を行った
9月9日、法輪閣北側の佼成病院(東京・杉並区和田2丁目)で、「立正佼成会附属佼成病院 落成式」(以下、落成式)、「同 新築落成記念式典」(以下、新築落成記念式典)が挙行されました。「落成式」には、庭野日鑛会長、佳重夫人、庭野光祥次代会長はじめ、川端健之理事長、神保好夫佼成病院院長など、教団役職者、病院職員ら17人が出席。「新築落成記念式典」には、「落成式」出席者のほか、田中良杉並区長、竹中工務店の竹中統一取締役会長、松田博青杏林学園理事長はじめ関係者約200人が参列しました。
庭野会長があいさつ
佼成病院は、昭和27年に5診療科、23病床で中野区に開院し、今日まで地域医療に貢献してきたが、施設の老朽化への対応、耐震性確保を目的に、杉並区内で平成24年9月の地鎮式以来、新築移転工事が進められてきました。
新病院は、地上10階(一部地上4階)、地下1階に18診療科と340病床を擁します。強固な免震構造により災害拠点病院としての役割が大きく期待されています。MRIなど最新画像診断機器なども導入され、東京都指定二次救急医療機関として24時間365日稼働する救急外来体制も整えられています。また、患者の待ち時間短縮につながる電子カルテ等の導入、色覚認識に優れたカラーユニバーサルデザイン(国内病院初)など、『真観~正しく観て 正しく手当てする~』という病院の新理念に基づいて全ての人に優しい院内設計が追求されました。
当日午前9時より同病院10階のご宝前で行われた「落成式」では、川端理事長導師による読経供養の後、庭野会長があいさつに立ちました。
その後、同1階「観音ホール」で、午前10時から「新築落成記念式典」が開催されました。庭野会長が「観音像」のレリーフ(陶板製)の除幕を行った後、川端理事長があいさつ。建築関係者、病院や地域の関係者に謝意を表した上で、「常に大衆に寄り添ってきた先人の智慧(ちえ)と慈悲に学び、病院スタッフと教団職員が心を一つに精進させて頂きたい」と述べました。続いて、庭野会長が仏教教団の運営する病院の持ち味を発揮する重要性を強調した上で、「人に喜ばれる病院づくりと地域貢献をさらに追求してまいりたい」とあいさつしました。田中杉並区長による来賓代表あいさつ、神保院長の謝辞と続き、式典は終了しました。
その後、院内の内覧会の後、法輪閣大ホールで祝賀会が開催されました。なお、開院(外来診療開始)は20日の予定。
新佼成病院 落成を迎えて 立正佼成会理事長 川端 健之
会員の皆さまや近隣地域、多くの関係者の方々のご理解とご協力によって新佼成病院の落成を迎えることができました。心より御礼申し上げます。
振り返ると、施設、病棟の老朽化への対応と首都直下型地震に対する耐震性確保のため、病院や教団の関係者、識者の参画を得て「新佼成病院開設委員会」が発足したのは、平成22年4月のことです。発足式の席上、会長先生から、「良き伝統は受け継ぎ、改革が必要なものは改革し、地域社会に喜ばれる病院に」とのご指導を頂戴(ちょうだい)しました。
同年6月27日付の「佼成新聞」には、渡邊恭位理事長(当時)のあいさつが掲載され、その中で、新佼成病院開設への提言が会員の皆さまに広く呼びかけられました。これに対し、全国から114件ものご意見を頂戴したことに改めて感謝を申し上げます。その一つひとつを同委員会等で検討させて頂きながら、計画を策定させて頂きました。
さらに、既に佼成病院の理念として開祖さまがお示しくださった『真観』の二文字に、今日の時代性を踏まえ、言葉の意味を簡潔にあらわすフレーズを付け加えて、「『真観』~正しく観て 正しく手当てする~」を新たな理念として掲げました。
どんなに医療が発達しても、人間は生老病死の苦から逃れられません。ですから、新しい理念のもと、「『からだ』・『こころ』・『いのち』を一つと観る全人的医療を行う」「患者さんとご家族に信頼され、地域で喜ばれる病院を目指す」「誇りと願いをもち、温かいふれあいを実践する」を基本方針に、より人間性あふれる医療が行えるような病院運営を進めてまいります。
具体的には、産婦人科や小児科、緩和ケア科を含む18診療科体制のもと診療の充実に努めるとともに、東京都指定二次救急医療機関、災害拠点病院として急性期医療を担う中で「断らない救急医療」を追求し、最新の医療機器やバリアフリー設備の導入も進めております。同時に全スタッフが患者さんへの温かい対応を心がけ、多くの方々の健康を守り、地域から信頼されるよう努力してまいります。
また、例えば健康診断と本部参拝をセットにした企画を設けることで、全国の会員の皆さまに同病院を活用して頂くことも可能ではないかと期待しております。すべての方々の健康増進に寄与することを目指してまいる所存です。皆さまの一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
(2014.9.12記載)