立正佼成会一食平和基金運営委員会(委員長=沼田雄司教務局長)は、各教会が主体的に同基金の浄財の一部を活用する「一食地域貢献プロジェクト」を平成26年次の計画に基づき実施しました。
同プロジェクトは、「一食地域応援プロジェクト」(平成22年から24年まで試行)の成果や課題を踏まえ、同年次から3年間実施されているもの。地元できめ細かな支援活動を展開する非営利団体に浄財を拠出し、温かい地域社会づくりに貢献することを目指しています。また、取り組みを通して会員が思いやりの心を育み、一食運動のさらなる推進につなげるのも目的の一つです。今回は、各支教区から28教会が参加し、地域で社会貢献事業を実施する60団体に資金助成が行われました。
参加教会では、教会内に同プロジェクトの委員会を設置し、地域の課題や教会が実施してきた平和活動などを改めて精査して「委員会として大切にしたい点」を設定。高齢者支援、青少年育成、東日本大震災の被災者支援などの観点に基づき、会員や地域の社会福祉協議会を通して候補団体の情報を収集しました。
その後、委員会は候補団体の活動見学や支援実績の確認を重ねて拠出先を選出。教会道場で贈呈式を行い、助成団体の活動報告、一食運動の意義、会員による実践を通した学びなどが伝えられました。
本会一食平和基金運営委 「一食地域貢献プロジェクト」各地の活動から
安城教会 『自立支援』テーマに選定 地域の善意の人々から学ぶ
安城教会では、地域での新たなネットワークづくり、今後の地域貢献の展開を意識しながら同プロジェクトへの取り組みを進めました。
プロジェクト委員会は伊藤恭司教会長を委員長に渉外担当者、壮年、青年、支部長と各層の代表で構成。会員からの情報提供をもとに支援先が選定され、最終的に『自立支援』をテーマに、「ひかりの家」「のりのりフットワーク」「フィリアの会」「幡豆福祉会友国作業所」「あゆみの会」の5団体が選ばれました。
「フィリアの会」は自身が進行性筋ジストロフィーの患者である男性が理事長を務めます。安城、刈谷、高浜、知立(ちりゅう)、碧南(へきなん)の「碧海5市」と岡崎市一帯のエリアでの障がい者支援施設建設を目的に活動を進めます。理事長は、このエリアに同施設がないこと、障がい者の親の高齢化、「施設至上主義」と「不要論」の議論など課題を提起。「『一食(いちじき)平和基金』との縁を通し、一人でも多くの人に障がい者の現実を理解してもらえたら」と期待を寄せます。
一方、プロジェクト委員会で、具体的で建設的な決定プロセスに携わった委員には、「一食運動」実践への一層高い意識が育まれました。渉外担当責任者は、「地域のために尽力されている善意の方々との触れ合いが、私たちの仏性礼拝の心、菩提心を促してくれます。この学びを、私自身の今後の役割に生かしていきたい」と抱負を語りました。
佐賀教会 仏性を引き出す活動に つながりを重視 命輝かせて
佐賀教会では、包括地域の課題や実情を知り、地元で支援活動を行う非営利団体と円滑なコミュニケーションを図ろうと、日頃からつながりの深い地元議員らを加えて委員会を構成しました。今年6月から会議を重ね、『地域の人たちとつながりを大切にし、一人ひとりの命を輝かせる』をプロジェクトのテーマとしました。
その上で、テーマに沿った活動を展開する候補団体の選出や活動の視察を実施。生命尊重の大切さを地域に伝える「佐賀いのちを大切にする会」、精神障がい者らの自立を目指した就労支援施設を運営する「特定非営利活動法人佐賀げんき会 佐賀みょうが塾」への資金助成を決定しました。
11月15日、教会道場で贈呈式が行われ、助成団体の選定経緯の紹介に続き、両団体の代表者があいさつに立ちました。「佐賀いのちを大切にする会」の林田紀子代表はこの中で、子育て中の母親が集える場の提供、経済的な問題を抱える妊婦の出産支援など同団体の取り組みを説明。「多くの人に命を慈しむ心を持って頂けるよう、皆さまが真心を込めてご支援くださった献金を活動に役立てさせて頂きます」と述べました。
最後に、湯川佳重教会長から両団体の代表者に目録が贈呈されました。
副実行委員長を務めた教務部長は、「活動を通し、一食運動は一人ひとりが持つ仏性を引き出す尊い活動だと改めて感じました。今後もこのご縁を大切にし、誇りを持って地域社会に運動を推進したい」と語りました。
(2014年12月19日記載)