開会のあいさつに立った庭野会長は、震災からの復興、日頃の防災では、短期・中期・長期の視点に立った取り組みが不可欠と述べ、宗教者として人材育成に努めていく重要性を示しました
宮城・仙台市で開催された「第3回国連防災世界会議」のパブリックフォーラムとして「『防災と宗教』シンポジウム」が3月16日、同市のAER・TKPガーデンシティ仙台で行われました。宗教者の視点から防災を考えるもので、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会、宗教者災害支援連絡会、宮城県宗教法人連絡協議会の共催。被災地で復興に取り組む宗教者や学者、市民団体代表ら約400人が参加しました。立正佼成会から同日本委会長の庭野日鑛会長をはじめ会員らが出席しました。
開会のあいさつに立った庭野会長は、安心安全で、支え合い、共に生きる地域社会の土台となる人材育成という根源的な命題に取り組むことが宗教者の役割と述べました。
世界人道サミットのジャミラ・マウモッド事務局長、日本宗教連盟の保積秀胤理事長のあいさつに続き、宗教者ら5人が東日本大震災での支援活動などを報告しました。
このあと、大阪大学大学院人間科学研究科の稲場圭信准教授が『災害における宗教者の可能性』をテーマに基調発題。東日本大震災では、避難所の提供など積極的に門戸を開いた宗教施設が多かった半面、物資提供を信者に限る施設も存在したと説明し、「公器性を持つ宗教施設」として地域との連携をより強化していく必要性を訴えました。
続いて、宗教者災害支援連絡会の島薗進代表をコーディネーターにパネルディスカッションが行われ、浄土宗愚鈍院の中村瑞貴住職、共同通信社長崎支局の西出勇志支局長、インドネシア最大のイスラーム組織ムハマディアのディン・シャムスディーン会長(ACRP=アジア宗教者平和会議=共同実務議長)、カリタスハイチ(カトリック)のピエール・アンドレ・ドマス会長がパネリストとして登壇。国内外の災害で宗教が持つ社会的資源を活用した支援活動の経験が共有されたほか、宗教宗派の枠を超えたつながりを築く必要性が話し合われました。
最後に、教訓を生かした防災教育、災害時の宗教施設の開放、行政との連携など具体的な行動計画とともに、祈りの大切さが盛り込まれた提言文が発表されました。
シンポジウム終了後、名取市にある東日本大震災慰霊碑前で「祈りの集い」を実施、諸宗教者約100人が参加しました。宗教宗派別の祈りに続き、地震が発生した午後2時46分に合わせて全員で黙とうを捧げました。
(2015年4月 3日記載)
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