「宗教と報道」のパネルに登壇した光祥次代会長。双方の立場から平和に向けた歩み寄りの大切さが語られました
ミャンマー・ヤンゴン市内のホテルで3月27日から29日まで『自由な報道への道』をテーマに開催された「第65回世界大会」(主催=IPI・国際新聞編集者協会)の中で、KAICIID(アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター)がパネルディスカッションを行いました。大会には同協会の加盟国から報道関係者、学者、宗教指導者ら約200人が参加。立正佼成会からKAICIID理事として庭野光祥次代会長が出席しました。根本昌廣外務部長が随行しました。
同大会はメディアが直面する諸課題を討議し、言論や表現の自由を促進することを目的に毎年開催されています。現在、イスラームを中心とした宗教界の動向がさまざまな形で報道され、人々の関心を集めていることを受け、宗教による暴力や抑圧といった問題に対話を通して取り組むKAICIIDがセッションを持ちました。また今回のパネルディスカッションは、同センターの「他者のイメージ」プログラムで「教育」「インターネット」「メディア」の3分野のうち、「メディア」の初回会合にも位置づけられています。
会期中、『紛争報道の教訓』『平和推進――ヘイトスピーチに対抗するための効果的戦略』『法律や実践を通じた報道の自由の護持』など9のテーマでディスカッションが行われました。
光祥次代会長は、『ニュース報道における宗教的センシティビティ(配慮)』と題したセッションにパネリストとして登壇。宗教とメディアは対立する関係ではなく、本来は人類の幸福に貢献する“同志”であると述べた上で、社会問題でもあるテロリストの存在を法華経の「縁起」に当てはめ、「彼らを犯罪者にしたのは、彼らがこれまで出会った、また出会わなかったすべての縁であり、私も彼らをつくる存在原因の一つ」と、自らを省みる大切さを強調しました。さらに、悪をただ批判するのではなく相手の弱さを自分事として受けとめることができたら、報道のあり方、また世界が変わるのではないかとの視座を提示しました。
(2015年4月10日記載)
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