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2015年04月28日 バチカンでの気候変動に関する会合で庭野光祥次代会長がスピーチ

バチカン科学アカデミーと同社会科学アカデミー、国連、WCRP国際委員会は4月28日、バチカンで『地球保護、人間の尊厳――気候変動の道徳的側面と持続可能な開発』と題するハイレベル会合を共催しました。政治、宗教、科学、ビジネス、外交など各分野の世界的な指導者約60人が参加。立正佼成会からWCRP国際委共同議長の庭野光祥次代会長が出席し、根本昌廣外務部長が随行しました。

開会式では潘基文・国連事務総長らがあいさつ。参加者は「持続可能な発展のための道徳的、宗教的合意」を求めて、『(貧者とより弱き人の)社会排除と気候科学の確証』『世界主要宗教の正義と責任』『ローカルからグローバルへ向けての実践的側面』『人身売買の廃止と移住者の定住――持続性ある発展の次のステップ』の各テーマに基づいてパネル討議を展開しました。
『世界主要宗教の正義と責任』のパネルでは、WCC(世界教会協議会)のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事、インドネシア最大のイスラーム組織「ムハマディア」のディン・シャムスディーン会長らと共に、世界の仏教徒を代表して光祥次代会長がスピーチしました。
光祥次代会長は、「吾唯(われただ)足るを知る」との禅の一句を紹介。「『貧しい人』とは何も持っていない人ではなく、多くを持ちながら満足できない人である」との観点から、気候変動を「私たちが依って立つ基盤を変容し、本来の人間的立場に戻ることを求める厳しい試練」と受け取るポジティブな仏教的視座を示しました。
会合の宣言文では、気候変動の緩和は倫理的、宗教的に不可欠と指摘し、「この中枢の倫理的領域において世界の諸宗教は極めて重要な役割を果たす」と表明。宣言文は、今年末にパリで開催される国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に提出されます。

(2015年5月22日記載)