「比叡山宗教サミット28周年 世界平和祈りの集い」(天台宗国際平和宗教協力協会、天台宗・比叡山延暦寺主催)が8月4日午後、比叡山延暦寺(滋賀・大津市)の一隅を照らす会館前「祈りの広場」で開催され、国内外から約1100人の宗教者が参列しました。立正佼成会から庭野光祥次代会長をはじめ、中村憲一郎総務局長、佐藤益弘西日本教区長らが出席しました。
同集いは、1986年にイタリアのアッシジで開かれた「アッシジ平和祈願の日」の精神を引き継いだもので、翌年から毎年、諸宗教者が宗教・宗派の違いを超えて世界平和への祈りを捧げてきました。今年は国内の宗教者に加え、KAICIID(アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター)のファイサル・ムアンマル事務総長、駐日バチカン大使館のジョセフ・チェノットゥ大使らが参列しました。
当日は「開経偈」「般若心経」の読誦(どくじゅ)などに続き、半田孝淳・天台座主が、今年、第二次世界大戦の終結から70年の節目を迎えることを踏まえた「平和祈願文」を奏上しました。この中で半田座主は、今も世界で紛争やテロが続く現状に憂慮を示しながら、すべての戦争犠牲者に哀悼の意を表するとともに平和の尊さを強調。「一日も早い恒久平和を心より祈念致します。宗教者は一層努力することを謹んで誓願致します」と述べました。
このあと、教派神道、仏教、キリスト教、神道、イスラーム、新宗教などの代表者15人が登壇。新宗連(新日本宗教団体連合会)を代表し、同理事の光祥次代会長が壇上に進み、「平和の鐘」に合わせて参加者と共に1分間の黙とうを捧げました。
次いでファイサル事務総長が登壇し、メッセージを発表。宗教的過激主義やテロリズムの影響により、世界では異なる信仰や文化を持つ人々との間に憎しみや不信感が蔓延(まんえん)していると指摘し、「この問題の根本的原因の一つは、異なった背景を持つ人々の間における基本的理解の欠如にあります。理解ということがなければ、恐れと狭量が人々の心に疼(うず)き、人々の気持ちや態度に感染していくのです」と語りました。
また、宗教の名による暴力の防止には、宗教宗派の枠を超えた全人類的な協力が不可欠との見方を示し、「宗教とは善の力であると確信しています。対話を通して共存と相互理解を促進する、その力に焦点を合わせることで、過激主義を押し返すことができるのです」と述べました。
最後に「比叡山メッセージ」が朗読され、「平和の合い言葉」を全員で唱和しました。
(2015年8月20日記載)
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