核不拡散や核軍縮について討議する第25回国連軍縮会議が8月26日から28日まで、広島市で開催されました。各国の政府高官や国連関係者、軍縮の専門家ら83人が出席。立正佼成会から国連代表である神谷昌道主幹、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会から篠原祥哲平和推進部長が参加しました。
今年は原爆投下から70年にあたります。また、4月27日から5月22日まで国連本部で行われたNPT(核不拡散条約)再検討会議では、行動目標や計画を定める最終文書の合意に至りませんでした。被爆地での開催、さらに厳しい国際状況を踏まえ、活発な議論が展開されました。
26日、「核兵器のない世界」の実現に向けたオープニングハイレベルセッションには、6人のパネリストが登壇。この中で、元米国防長官のウィリアム・ペリー・スタンフォード大学教授は、現在ロシアが核兵器の開発を図る中、米国も対抗姿勢をとる可能性を挙げ、「CTBT(包括的核実験禁止条約)を発効させなければ破滅的な結果に至る」と指摘しました。また、核兵器廃絶への道が「下り坂」であるのは、「市民が核兵器の脅威を知らないからだ」と語り、被爆地訪問の重要性を強調しました。
一方、湯﨑英彦広島県知事は「核兵器があるから安全が保障できるという神話がある。この考えは理論にしか過ぎず、これが崩れたとき、何が起きるのか。それは広島と長崎が示している」と力説。悲劇を繰り返さない唯一の方法は核兵器廃絶と訴えました。
その後の意見交換では、神谷主幹が湯﨑知事の講演に触れ、「核兵器の保有によって相手の核攻撃を抑止する、あるいは核兵器は力の象徴である。こういった神話を持つ核保有国の考え方を変えていくことが重要。核兵器の人道的影響がNPT締約国の関心を集めている今、核兵器の非合法化について検討できるのではないか」と述べました。
(2015年9月 3日記載)
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