大聖堂には非常食や生活用品が備蓄されています
近年、日本では地震や豪雨、竜巻、噴火といった自然災害が頻発しています。さらに、「南海トラフ」や「首都直下型」など甚大な被害をもたらすとされる巨大地震の発生も危惧されています。こうした状況の中、立正佼成会本部では、日本国内で大規模な地震災害が発生した際の対応をまとめた「本部災害対策基本計画」を2013年2月に策定。特に「首都直下型地震」に対しては、災害発生時の対応を整えるとともに、日頃から職員一人ひとりの防災意識の向上に努めています。
東京都は、東京湾北部を震源とするマグニチュード7規模の首都直下型地震が発生した場合、死者が約9700人、負傷者は約14万7000人に上ると試算。約517万人が帰宅困難になると想定しています(2013年4月公表)。
大聖堂や法輪閣など本部施設一帯は1972年、杉並区より大規模延焼火災が発生した際の「広域避難場所」に指定されました。教団本部は2003年から、「開祖生誕百年記念事業」の一環として大聖堂の耐震安全性の向上を目的に、約2年かけて建物の基礎と地盤の間に積層ゴムを用いた免震装置の設置工事を実施。これにより、参拝者のさらなる安全を確保し、災害時の避難拠点としての役割を果たすことが可能となりました。現在は同区の要請を受け、「東京都帰宅困難者対策条例」(13年4月施行)を基に、帰宅困難者に対する本部施設での受け入れについて同区と協議を重ねています。
また、東日本大震災発生後には、「防災関連部署会議」(主管・総務グループ)を中心に本会の災害対策を再考。いのちの尊重、地域の救援・復興への貢献、災害発生時に迅速かつ的確な行動がとれる人・態勢づくりなどを基本方針に定め、13年2月に「本部災害対策基本計画」<地震編>を策定し、独自の対応に取り組んできました。
同計画では、震度6弱以上の地震への対応を想定し、本部参拝者や帰宅困難者、近隣住民への支援、行政機関や諸団体との連携、日頃の災害予防のあり方などを規定。災害発生時には教団理事長が本部長に就き、災害対策本部を大聖堂2階に設置し、帰宅困難者や参拝者を受け入れる態勢を整えます。
非常食や生活用品などの備蓄は、条例を基準に3日分を準備。飲料水やパンのほか、紙製のおむつや使い捨て下着といった衛生用品、毛布など1300人分を備えています。電気や水道といったライフラインの寸断には、自家発電機と受水槽の利用で対応します。
施設での受け入れ態勢を整える一方、職員の啓発にも力を注いでいます。各グループに防災リーダーを設け、その職員が率先して普通救命講習を受講するなど、災害対応スキルの向上に励んでいます。このほか、全職員を対象に、安否確認システムを利用した初動対応訓練や災害対策本部の設置訓練、防災訓練などを定期的に実施。地元の和田自治協力会を含む近隣6町会と日頃から交流を深め、情報共有にも取り組んでいます。
防災対策を担う防災会議事務局(総務グループ)は、「参拝者や帰宅困難者が少しでも安全に避難し、無事に帰宅して頂くため、今後もさまざまな状況を想定しながら準備していきたい」と意向を示しています。
職員はさまざまな訓練を通じ、災害への意識や初動対応能力の向上に努めています(写真上は昨年の防災訓練、写真下は今年4月の災害対策本部設置訓練)
(2015年9月10日記載)
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