立正佼成会が後援する「日本平和学会2015年度秋季研究集会」が11月28、29の両日、沖縄県の琉球大学で行われました。同学会員や市民、学生ら270人が参加。本会から中央学術研究所の川本貢市所長、藤田浩一郎学術研究室長らが出席しました。
同学会は、戦争と平和に関する研究の発展を目指すものです。今大会では『沖縄戦後70年――沖縄戦と米軍統治、復帰、現在そして未来』をテーマに五つの部会、分科会などで、米軍基地を抱える地域社会の問題や、沖縄での平和運動の現状、東アジアの安全保障などさまざまな論点で研究発表、議論が行われました。国際人権規約に基づく国際人権保障を視点に自己決定権や、沖縄や東アジアの正確な歴史認識の必要性などについて再確認されました。
28日、『東アジア共同体と日米安保体制見直し――日本の独立と沖縄の自立をめぐって』をテーマに開かれた「平和運動」分科会には、報告者として鳩山由紀夫元首相が登壇。鳩山氏は冒頭、東アジアの国々が自立と共生を目指すには「友愛」の精神が最も必要と述べ、「武力ではなく対話によって世界を平和に導くべき」と訴えました。
29日には『東アジアのなかで平和を問う――共生と連帯を可能にする条件』と題して「戦後70年プロジェクト国際シンポジウム」が行われ、韓国・延世大学の白永瑞教授、神奈川大学法科大学院の阿部浩己教授、琉球大学の島袋純教授、宮城晴美非常勤講師が登壇しました。
この中で白教授は、東アジアでは帝国主義や植民地支配などの影響で、日本本土と沖縄、朝鮮半島の分断など対抗し合う構造が生まれ、人間らしい営みが否定されてきたと歴史を説明。自己決定権を求める沖縄県民の平和運動などに触れながら、各国が民主主義の発展を通して国家改革を追求する重要性を強調しました。
(2015年12月 3日記載)
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