『東アジアの平和のための日韓宗教青年の役割』をテーマに、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会青年部会と、KCRP(韓国宗教人平和会議)青年委員会による「第12回日韓青年交流会」が、1月29日から2月2日まで韓国・ソウル市内の国際青少年センターと同国北部の民族和解センターを会場に開催されました。両国の青年宗教者61人が集い、立正佼成会から青年部員ら12人が参加しました。
同交流会は日韓の青年宗教者が真の信頼を築き、世界平和に貢献する人材を育成することが目的。1990年から数年に一度開かれています。
30日の開会式では、民族和解センターのイ・ウンヒョン神父が『宗教の霊性』と題して講演を行いました。イ氏はキリスト教の「三位一体」の教えに沿った平和観を説明しました。自分自身の内面を整え、謙虚に他者との友好を築く「ポジティブピース」が大切と語りました。
31日、参加者は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)との軍事境界線から南へ7キロの地点にある「臨津閣(イムジンカク)」を訪問。機関車や軍事品といった朝鮮戦争時の展示物などに触れ、分断された朝鮮半島の統一と、東アジア地域の平和に向けた取り組みの意義を改めてかみしめました。
2月1日には平和紛争研究所のジョン・ジュジン博士が『平和』をテーマに講演。日本と韓国は「36年間の植民地支配」という過去を共有しているが、事実を見る視座が完全に異なると指摘し、「過去が現在にも影響を与え続けている」と訴えました。また、両国の関係回復が困難なのは「加害と被害」というパワーバランスがあり、それぞれの「正義」に相違があるからと説明。平和的共存のためにも力の均衡を正し、「謝罪や赦(ゆる)し」といった最低限のプロセスを踏まえて、市民レベルで具体的な行動計画を築くことが重要と語りました。
続いて、参加者はグループに分かれて日韓関係の問題点、具体的な解決策を討議。「大学に相手国を学ぶサークルを作る」「ネットワーク化」など実践案が挙げられました。それをもとに、最終日に同交流会の継続などを約束した文書が交わされました。
この後、文化交流会を通し、友情を深めました。
参加者の本会杉並教会会員(21)は、「対話の重要さを感じました。相手の話を聞き、考え、自分も思いを発信する、その中に学びや新たな発見があるのだと気づかせて頂きました」と話しました。
(2016年2月12日記載)
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