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2016年04月12日 弁護士(あすわか)の協力を得て「憲法カフェ」 山口支教区で第1回を開催


全国で初めて実施された憲法カフェ。最初は硬かった雰囲気も徐々に和らぎ、政治に関心を寄せる大切さが話し合われました

今夏の参議院議員選挙では、「憲法改正」が大きな争点になると言われています。こうした状況を受け、教団ではこのほど、憲法の役割や日本国憲法の理念を学び、立正佼成会の平和観について理解を深めていこうと、憲法に関する学習の実施を決定。今回は、「気軽に憲法について語ろう」をコンセプトに「憲法カフェ」を開催している「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)の協力を得て、実施を希望する支教区や教会などを募って6月30日まで行われます。

4月12日、宇部教会で憲法カフェが開催されました。山口支教区の青年婦人部長と同婦人部リーダー12人が参加。講師は、「あすわか」で活動する福岡県弁護士会所属の髙木士郎弁護士が務めました。
当日は、各人にコーヒーや紅茶とケーキが用意されるリラックスした雰囲気の中で、憲法の解説がスタートしました。
冒頭、髙木弁護士が電子紙芝居を用いて、近代以降、憲法によって国民一人ひとりの人権を尊重し、その権利や自由が侵されないように国家権力に歯止めをかけていく「立憲主義」が確立されたことを説明。憲法と法律の役割の違いにも触れ、「法律よりも上にあるものが憲法。ですから、憲法に違反する法律は無効になり、おかしな法律がつくられたときに、憲法が最後の歯止めになります」と話しました。
また、日本国憲法の特徴として、「国民の自由を保障すること」「国家権力を制限すること」「憲法はいろいろな法体系の中で一番上にある最高法規」の三点を明示。国民の権利として信教や言論、学問の自由などを挙げ、現憲法には「国民の権利を定め、それを守るがゆえに、最高法規であると記されているのです」と強調しました。
さらに、昨年成立した、「安全保障関連法」に言及。同法で集団的自衛権を容認したことは憲法9条に抵触するという「内容」の問題に加え、従来、「違憲」とされてきた集団的自衛権を、政府が自らの都合で解釈を変更して「合憲」にするという「手続き」においても重大な問題と指摘しました。その上で、「憲法があって良かったと気付く時は、実は国民にとって危機の時。普段から政治に関心を寄せ、一人ひとりが自らの意思を表明していくことが大事」と訴えました。
この後、本部教務部布教支援グループの中野圭沙代スタッフが、庭野日敬開祖、庭野日鑛会長の法話を基に、本会の平和観を説明。世界平和の実現のために、法華経に通じる日本国憲法の理念の尊さや政治が果たす役割の大きさを強調しました。
カフェを終えて、萩教会会員(38)は「憲法というと、難しいイメージがありました。しかし、国民の権利が侵されないように国が守るためのものだと知って、私たちにとって大事で、身近なものだと分かりました」と話しました。

(2016年4月21日記載)