一日も早く日常を取り戻せるよう、川内教会の会員たちは家財道具の運び出しや清掃に当たりました
熊本地震発生後、被災者を救援しようと、被災した熊本教会を包括する南九州支教区、近隣の北九州支教区による支援の輪が広がりを見せています。
片付け作業に尽力 南九州支教区
4月16日未明に起きた「本震」(マグニチュード7.3)直後、熊本教会には、避難所に入れなかった近隣住民約100人が避難してきました。そうした状況を踏まえ、南九州支教区では各教会が飲料水や米、レトルトカレー、栄養補助食品などのほか、ガスコンロやブルーシート、市販薬といった日用品を収集。17日までに順次、熊本教会に搬送しました。
また同支教区の川内、鹿児島両教会は、熊本教会と教団の災害対策本部から要請を受け、会員ボランティアを派遣しました。24日夜、川内教会の西利晃教会長はじめ支部長、青・壮年部員13人が熊本教会に到着。翌25日の朝から2組に分かれて、地震で損壊した会員宅4軒で、物が散乱した室内の整理やごみ出し、倒れた家財道具を起こす片付け作業などを行ったほか、引っ越し作業を手伝いました。
鹿児島教会の会員8人は25日夜に熊本入りし、翌26日に2組に分かれてボランティアを実施。壊れた家具の修繕や、崩落した屋根瓦を砕いて捨てる作業を担いました。
ボランティアに参加した川内教会支部長(57)は、「大変な困難の中にある被災者の方々に、少しでも安心して頂けたらと思い作業に当たりました。実際に崩壊した家や町を目の当たりにし、温かい布団で眠れることは決して当たり前ではなく、感謝の気持ちをかみしめました。一日も早く被災地に平穏が戻るよう、できる支援を続けていきたい」と語りました。
約3000食分を提供 北九州支教区
北九州支教区は4月18日昼から20日まで、熊本教会や町内会と連携し、教会道場から500メートルほど離れた熊本市中央区内の小学校で炊き出しを行いました。同小学校は熊本市の避難所に指定され、500人以上が避難していましたが、水やガスの供給が止まり、十分な食糧が避難者に行き渡っていない状況でした。
炊き出しの材料は、同支教区全体で調達。各教会から豚肉や野菜、みそなど豚汁用の具材500食分のほか、乾パンやレトルト食品などの非常食、紙おむつ、トイレットペーパー、ブルーシートなどを福岡教会に集積し、17日夜、福岡、大分の両教会会員23人が第1陣として熊本教会に入りました。
翌18日、熊本教会駐車場で炊き出しを実施。同教会に避難する約100人の被災者に豚汁を振る舞ったほか、同教会の近隣にある小学校に運び、避難生活を続ける人々に配りました。
その後、20日までに福岡、大分の両教会を含む久留米、田川の4教会の会員40人が3組に分かれて、豚汁や中華丼、カレーなど約3000食分を教会道場や小学校、車中で避難生活を送る被災者に振る舞いました。
炊き出しの豚汁を受け取った被災者からは「この3日間でおにぎり一つしか食べていなかった」「数日ぶりに温かいものが食べられて安心した」など喜びの声が上がりました。
炊き出しに携わった福岡教会支部長(68)は、「50代の男性が、『お世話になっているから何かお返しがしたい』と、焦げ付いた鍋の底を丹念に磨いてくれました。後で未会員さんだと知り、驚いたと同時に大変な状況にありながら自ら動かれる姿に頭が下がりました。被災された方々にはどうかこの困難を乗り越えてほしい」と話しました。
(2016年5月 6日記載)
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