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2016年05月12日 「暴力的宗教過激主義に立ち向かう」 WCRP/RfPと国連が会合を共催

『中東宗教指導者との協力 ムスリム多数派国における少数派保護』をテーマに、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)と国連「文明の同盟」(UNAOC)の共催によるハイレベル国際コンサルテーション(協力・WCRP/RfP日本委員会)が5月12、13の両日、東京都内のホテルで開催されました。イスラーム・スンニ派、シーア派の有力指導者はじめ諸宗教代表、各国駐日大使ら約60人が参集。立正佼成会からWCRP/RfP国際共同議長を務める庭野光祥次代会長が出席しました。2日間の協議を経て、「暴力的宗教過激主義に立ち向かう」との声明が採択されました。

今回の協議は、今年1月にモロッコで開かれたイスラームの国際会議で、宗教的少数派の保護などを訴えて採択された「マラケシュ宣言」を推進することが目的。今月の主要7カ国首脳会議(伊勢志摩サミット)を前に、暴力的過激主義への対応を議論するためのものです。
12日の開会セッションで、杉谷義純同日本委理事長(天台宗宗機顧問)が議長を担当。UNAOCのナッサー・アブドゥルアジズ・アル・ナッサー上級代表のメッセージが紹介され、スンニ派の指導者で「ムスリム社会における平和推進フォーラム」会長のシェイク・アブドラ・ビンバイヤ師やシーア派指導者でイスラーム宗教大学学長のアヤトラ・アフマド・モバレキ師、WCRP/RfP国際名誉会長でイラン女性連帯同盟事務総長のファティマ・ハシェミ・ラフサンジャニ師ら6人が発表に立ちました。
この後のパネルディスカッションでは、ムスリムが多数派を占める中東諸国で、キリスト教などの少数派に対して差別や過激な暴力行為が行われている現状が報告され、対応について具体的な行動指針が話し合われました。光祥次代会長は『少数派保護とイスラームフォビア(イスラーム嫌悪)に対抗するための他の宗教からの視点と諸宗教の共通の価値』と題したセッションにパネリストとして登壇、仏教者の立場から発言しました。
また、12日夜のレセプションに岸田文雄外務大臣が出席。イスラーム社会では伝統的に多様な文化や宗教の平和的共存が果たされてきたことに触れ、共生を疎外する宗教的過激主義が根付かない地域づくりを、日本の強みを生かしてサポートしたいと述べました。
13日に開かれた記者会見では、参加者代表が今協議の意義や成果を発表。ウィリアム・ベンドレイ同国際委事務総長は、全ての宗教が違いを尊重しながら世界平和という共通利益のために、政府やさまざまな組織と連携する重要性を改めて確認し合ったと報告しました。また、ビンバイヤ師は、「平和はゲームではない。全人類に必要なもの。皆が協力して平和を確立させる、という強い希望のメッセージを送りたい」と語りました。

(2016年5月19日記載)