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2016年07月15日 大聖堂はじめ全国各教会で「盂蘭盆会」 いのちのつながり 深くかみしめ


法話に立った庭野会長は、人間は苦の多い「娑婆世界」に生きていると語り、自らを内省し、仏の教えを学んでいく重要性を説いた

先祖のみ霊(たま)に真心からの回向供養を捧げるとともに、さらなる布教伝道を誓う「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が7月15日、大聖堂はじめ全国各教会で厳修された。大聖堂には会員約3300人が参集した。


袴(はかま)姿の青年女子部員16人による奉献の儀。生花と灯明を献じて先祖のみ霊に回向供養を捧げた

式典では、全国の青年女子部員代表16人による奉献の儀の後、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた。この中で、光祥次代会長はじめ「教師」資格者256人が戒名を奉読。光祥次代会長が庭野日鑛会長名の回向文を奏上し、焼香を行った。
次いで、佐賀教会支部長(59)が体験説法。父親の連帯保証人による借金や姉の突然の死に直面し、周囲や自分を責めていたが、結婚を機に教えと出遇(であ)い、自らの苦を受けとめることができた体験を発表した。また、教会から足が遠のいていた主任との触れ合いに悩んでいた際、教会長の言葉や会員教育を通し、サンガがいつも支えてくれていたことに気づき、主任の思いに寄り添えるようになった喜びを語った。
続いて庭野会長が登壇し、焼香を行った後、法話に立った。この中で、「盂蘭盆」の語源であるサンスクリット語の「ウランバナ」には、逆さまに吊(つ)られる苦しみを表す「倒懸(とうけん)」の意味があることに触れながら、人間は本来、苦と共に今を生きていると説明した。その上で、この世は苦や迷いの世界であるからこそ、仏の悟りが得られる世界だと見る「娑婆即寂光土(しゃばそくじゃっこうど)」の教えに言及。慢心や嫉妬(しっと)など煩悩にとらわれがちな自らを内省し、仏の教えを学ぶことが重要と語り、「迷いや醜い心こそが、悟りにつながるのであり、その力が一人ひとりに具(そな)わっている」と説いた。
また、日本の剣道や柔道、茶道などの世界では、先達が築き上げてきた「形(かた)」が重んじられていると解説。本会でも、読経供養や法座などの基本的な「形」を守り、実践していくことは、ものごとを自分の思い通りにしたいという「自我の心」を取り去ることになると強調した。さらに、毎月行われているご命日式典といった行事一つ一つも「形」としてとらえていくことが大切と話し、「先輩から形を受け継ぎ、その形を通すことで私たちの我(が)が否定され、我のない素直な人間にかえっていくのです。こうしたことを多くの方にお伝えしていくのも大事」と述べた。

(2016年7月21日記載)