熊本地震の発生を受け、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会と、新日本宗教団体連合会(新宗連)、真如苑救援ボランティア(SeRV)、九州臨床宗教師会、宗教者災害支援連絡会(宗援連)による「熊本復興宗教者支援連絡会」が発足し、7月26日に熊本市国際交流会館で第1回会合が開催された。各団体の加盟教団や被災地で支援活動に取り組む宗教者、行政、NGO関係者ら58人が参加した。
熊本地震の被害に対し、被災地に信者を有する宗教団体を中心に多くの教団が、震災直後から避難所の提供や炊き出し、物資供給などさまざまな緊急支援を行ってきた。同連絡会は各教団の対応を踏まえ、被災地で求められている宗教者の役割に応えていくため、教団間の連携を図ることを目的に発足した。
会合では、宗教界の震災対応として、熊本県神社庁教化委員会の岩下通弘師、日本福音ルーテル教会の小泉基牧師、全日本仏教会の久喜和裕事務総長が震災発生当時の様子や被災状況、支援活動を発表した。その後、行政やNGOの代表者が現在の状況と課題を報告した。
この中で岩下師は、震災後、宮司を務める熊本大神宮に復興を願って参拝にくる地域住民の姿を通し、神社が地域コミュニティーの核を担っていることを改めて実感したと述懐。「一日も早く、祈りの場として神社を復興したい」と訴えた。
同県健康福祉政策課「福祉のまちづくり室」室長の木村忠治氏は、仮設住宅への入居が始まり、避難者の孤立化など新たな課題が出てきていると指摘した。その上で、見守りやコミュニティーづくりなどに取り組む宗教者に期待を表した。
また、「被災地NGO協働センター」代表の頼政良太氏は、崩落の危険がある自宅を離れられない人、顔見知りのいない仮設住宅での生活に不安を感じて避難所に残る人など、多様な被災者の状況を説明。「被災者の生活と密着したところに宗教はあると思うので、仮設や避難所などで一緒にお茶を飲んで話を聞くなど、不安や悲しみを軽くする役割を担ってほしい」と語った。
この後、全体で意見を交換した。被災地で活動する宗教者として本会熊本教会の柴垣多加志教会長(南九州支教区長)は、被災地が自立して復興していくためにも、被災者のニーズを把握し、協力し合える連絡会の役割の重要性を強調した。
最後に、大阪大学大学院の稲場圭信教授がまとめを行った。
(2016年8月18日記載)
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