中央学術研究所が後援する「人間と科学」研究学会の「第28回研究大会」が8月27日、佼成図書館で開催された。テーマは『地球温暖化防止対応と私達が取り組むべきことについて』。同学会のメンバーや本会職員ら55人が参加した。
同学会は、「知的創造」「智慧(ちえ)の発信」「知的交流」を目的に社会事象を取り上げ、毎年研究大会を開催している。
当日は、三阪和弘グリーンブルー株式会社取締役、深田伊佐夫青梅練成道場長、小池俊雄東京大学大学院教授が講演した。
三阪氏は、企業や個人の資金提供によって低炭素技術の開発や森林の間伐・植樹などの活動を促進し、日常生活や生産活動で生じた温室効果ガスの排出分を直接的、間接的に吸収して、社会全体で地球温暖化対策を防ぐ「カーボン・オフセット」の仕組みと事例を紹介。また、本会の「環境方針」に触れ、教団の宗教活動で排出される温室効果ガスの量を、青梅練成道場敷地内の森林保全活動で埋め合わすことができるとし、「会員が取り組む活動として検討してほしい」と語った。
次に、深田道場長は、住民が地域の魅力を再発見し、再生を図る「地元学」の理念を基に、地元自治会と共に行う「青梅学」の取り組みを説明。現地を調査して、これまで気づかなかった地域の資源を再発見し、青梅の魅力である景観や森林の保全を通じた地球温暖化対策を紹介した。
一方、小池教授は、京都議定書や国連「ミレニアム開発目標」(MDGs)、「持続可能な開発目標」(SDGs)といったこれまでの国際的な温暖化対策を紹介した。その上で、昨年12月の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で合意された「パリ協定」に触れ、「全ての国が温室効果ガスの排出量削減目標を作り、提出を義務付けられた」と、その内容を解説した。
さらに、夏の記録的猛暑やゲリラ豪雨といった異常気象は、人間の日常生活や生産活動によって排出される温室効果ガスが要因と指摘し、行政やNPO、専門家、市民が連携して対策を講じる重要性を訴えた。
この後、講演者3人が登壇。野口康彦茨城大学教授をコーディネーターにパネルディスカッションが行われた。
(2016年9月 1日記載)
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