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2016年09月18日 聖都アッシジに宗教指導者が集結 「第30回世界宗教者平和のための祈りの集い」


18日夕、アッシジ市内の施設「テアトロ・リリック」で行われた開会式。庭野会長は壇上に着座し、スピーチを行った

「第30回世界宗教者平和のための祈りの集い」(聖エジディオ共同体主催)が9月18日から20日まで、イタリア中部にあるカトリックの聖地・アッシジで開催された。テーマは『平和への渇望——対話の宗教と文化』。正式代表として世界60カ国から、宗教をはじめ政治、社会運動の指導者511人が参加した。共に祈りを捧げた参加者は3日間で延べ1万2000人に上った。本会から、正式代表として庭野日鑛会長、庭野光祥次代会長が出席。庭野会長は開会式でスピーチを行い、閉会式ではローマ教皇フランシスコが出席する中、光祥次代会長が「平和宣言文」を読み上げた。

庭野会長 開会式でスピーチ


閉会式は、聖フランシスコ大聖堂の広場で行われた。特設ステージには、世界の宗教指導者が居並び、平和の祈りを捧げた

1986年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼びかけにより「アッシジ平和祈願の日」の集いが行われた。諸宗教者が共に平和のために祈る「アッシジの精神」を受け継ぎ、翌87年から、ローマに本部を置く聖エジディオ共同体の主催により「世界宗教者平和のための祈りの集い」が欧州の各都市で開催されてきた。
庭野会長は、「アッシジ平和祈願の日」の集いに、庭野日敬開祖(当時会長)の名代として参列。また、「世界宗教者平和のための祈りの集い」に、本会は毎年、教団役職者を派遣している。2001年、スペイン・バルセロナで開催された同集いには庭野会長が出席した。
30回を迎えた同集いの開会式は18日午後、市内の「テアトロ・リリック」で行われた。イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領が臨席。宗教者ら9人の一人としてステージに着座した庭野会長は、東方正教会の精神的支柱であるコンスタンティノープル総主教バルトロメオ一世の基調講演や中央アフリカのフォースタン・アーシャンジュ・トゥアデラ大統領の挨拶などに続き、スピーチを行った。この中で、「アッシジ平和祈願の日」から30年を経た現在の世界的な気候変動や貧困、水や食料の不足、紛争やテロの頻発といった危機に対し、諸宗教者は自らを内省しつつ、創造的な工夫に取り組む必要性を訴えた。
19日と20日午前には、市内の各場所で、経済格差、戦争、テロリズム、難民・移民、自然環境などに関する29の分科会が開かれた。庭野会長は19日午後、『すべての人に食料と水を』をテーマにした分科会の発表者の一人として登壇。「足るを知る」という精神の重要性や「一食(いちじき)を捧げる運動」などに触れ、人類の共生を実現する道筋の一端を示した。
20日午後には、ローマ教皇がバチカンから来訪。聖フランシスコ大聖堂で庭野会長、光祥次代会長を含む諸宗教者が謁見(えっけん)した。この後、宗教ごとに「平和の祈り」が捧げられ、すべての宗教者が平和行進に臨んだ。

開会式での庭野会長スピーチ 要旨

光祥次代会長 「平和宣言文」読み上げる


閉会式の席上、「平和宣言文」をイタリア語で読み上げる光祥次代会長

閉会式は同大聖堂の広場で行われた。庭野会長、光祥次代会長は、特設ステージの壇上に着座。ローマ教皇やインドネシア・ウラマー評議会諮問委員会議長のディン・シャムスディーン師、森川宏映第二百五十七世天台座主、シリア難民の代表者らがスピーチに立った。
ローマ教皇は、戦争とそれによる苦しみが絶えない中、世界には「無関心」が広がっており、この「病」に向き合って平和の道を探る意志を表明。森川座主は、釈尊や最澄、聖フランシスコの言葉を引用し、「宗教者は、怨みのあるところには徳を、憎しみのあるところに愛がある世界を創るべく、共に祈り、手を携えて、一層努力していかねばなりません」と述べた。
この後、宗教者を代表し、光祥次代会長が「平和宣言文」をイタリア語で発表。各宗教者がキャンドルに火をともし、同宣言文に署名して、3日間の集いが閉幕した。

(2016年9月29日記載)