法話に立った庭野会長は、私たちは自らを「因」とし、仏道を歩むことを願い、生まれてきたと強調した
庭野日敬開祖の生誕を祝うとともに、法華経に示された「一乗」の精神に基づき、菩薩行実践の誓いを新たにする「開祖さま生誕会」が11月15日、大聖堂をはじめ全国の教会で開催された。今年は、開祖生誕110年、庭野日鑛会長に法燈が継承されてから25年の節目にあたる。大聖堂には73教会から会員、来賓ら約4000人が参列。大聖堂での式典の模様は、インターネットを通じて全国各教会に配信された。
開祖生誕110年、「法燈継承式」から25年の節目となった今年の「生誕会」。大聖堂には約4000人が集い、恩師の願いをかみしめ菩薩行実践の誓いを新たにした
当日、大聖堂には全国22教会から届けられた果物や米など各地の特産品が奉納された。式典では、「みこころに生きる」の調べに合わせ、青年女子部員代表18人による奉献の儀、続いて読経供養が行われた。この中で、庭野会長名の啓白文を、導師を務めた庭野光祥次代会長が奏上した。
讃歎(さんたん)歌「誓いを胸に」の合唱の後、教団を代表して川端健之理事長があいさつ。ありし日の庭野開祖の布教活動の様子や、25年前の平成3年11月15日に厳修された「法燈継承式」の模様を映像を通して紹介しながら、「庭野開祖は『惜しみなくいのち燃やそう』という情熱の炎と生きがいをもたらしてくれた師匠である」と報恩感謝の言葉を述べた。
続いて会員を代表して体験説法に立った福島教会青年婦人部長(41)は、突然不登校になった次女を心配しながらも、その心に親として十分に寄り添えずにいた胸中を披歴。サンガの励ましや教会長の助言、夫婦で寒中読誦(どくじゅ)修行に取り組むことを通して自分の心を見つめ直し、娘と向き合えた喜びを語った。今では障害のある級友をサポートするまでに成長した娘に対し、「子供は夫婦を教化してくれる仏のはからい」と気づけた感謝を発表した。
この後、法話に立った庭野会長は、「生誕」に触れ、無量の先祖からいのちのバトンを連綿と受け継ぎ、現在、生きているのが私たちのいのちと説明した。
また、人は父母の「因と縁」によって生まれるとされるが、同時にいのちを深く見つめると、自らを因とし、父母を縁として生まれてきたとも考えられると説示。「仏教では、悟りに到達すべき真実の原因である『真因』は自分であるといわれます。私たちは、自分が仏道を歩もうと、そういう気持ちで人間として生まれてきたのです」と述べた。
その上で、父母や導きの親との縁がなければ仏法に出遇(であ)うことはなかったと受けとめるとともに、自らが因であるという自覚を深め、人生をどのように生きていくかを主体的に考えていくことが大事と説いた。
式典後、庭野会長臨席のもと法輪閣大ホールで祝賀会が開かれ、教団退任役職者ら約300人が参集した。
(2016年11月24日記載)
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