カンボジア諸宗教評議会(CIC)の会合に出席するため、昨年12月、同国プノンペン市を訪れた庭野光祥次代会長のガイドを務めたノウン・ヴァンナック氏が1月24日から28日まで来会し、26日午後、普門館国際会議室で開かれた世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の「特別学習会――共に生きるための難民支援とは」の席上、特別講演を行った。
同理事の光祥次代会長、川端健之理事長のほか、同委難民問題タスクフォース責任者の根本昌廣事務部主席、同委役員、会員ら約100人が参加した。
ヴァンナック氏は1969年、同国生まれ。75年から始まったポル・ポト政権の迫害を受け、10歳で難民になった。WCRP/RfPが支援していたタイ・カンボジア国境付近の「サイト2難民キャンプ」で92年まで難民生活を送り、その後、プノンペン市で日本語ガイドとして活躍する。
当日、特別講演でヴァンナック氏は、戦乱で家族と生き別れになり、貧しい暮らしを強いられた少年時代を振り返りながら、同国の内戦の歴史に言及。「政府による弾圧で、多くの民間人が無理やり仕事をさせられ、食べ物も与えられませんでした。殺されたり、病気で死んだりした人もたくさんいました」と話した。
また、難民キャンプでの生活に触れ、WCRP/RfPから食糧や教材など多くの支援を受けたことを紹介。「私はWCRPに育てて頂きました。難民キャンプでお世話になった60万人を代表し、皆さまに感謝を申し上げます」と語った。
この後、閉会のあいさつに立った光祥次代会長は、「これまで先輩方がWCRPの活動を通し、カンボジアや世界各国に支援の手を差し伸べ続けてくださったことを誇りに思います。私たちは過去を忘れず、暴力に対して謝罪し続けなければならないことを胸に刻みたい」と話した。
なお、学習会に先立ち25日、ヴァンナック氏は本会目黒教会を訪れ、会員約150人と大法座を通して交流したほか、27日には土浦教会で講演した。
(2017年2月5日記載)
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