ユニセフ(国連児童基金)支援を目的とした「一食(いちじき)ユニセフ募金」が今年も年間にわたって、全国各教会で実施されます。街頭募金やチャリティーバザーなどさまざまな活動によって市民から寄せられた浄財は、日本ユニセフ協会、ユニセフ本部(ニューヨーク)を通じて立正佼成会が指定する国や事業に拠出。今年度からは、ユニセフがWCRP(世界宗教者平和会議)と合同で進める、フィリピン・ミンダナオ島などでの「宗教者による紛争下・後の子ども保護」事業に充てられることになっています。
今年度の「一食ユニセフ募金」のテーマには、『紛争から子どもたちを守りたい』が掲げられました。
現在、世界では約25万人もの子どもたちが紛争に巻き込まれているといわれています。家族や家を失うだけでなく、兵士として直接戦場に送り込まれる子どもも少なくありません。混乱した状況下では、特に女児が性的搾取を受けやすいことも報告されています。
こうした事態を重視し、ユニセフとWCRP、また両機関と長年にわたって強い協力関係にある立正佼成会が協議。各国で子どもの保護事業を展開するユニセフと、諸宗教間の対話・協力を基盤に草の根レベルで国、地域内の平和構築に取り組むWCRPによる連帯、協働が決定されました。
今後3年間、両機関が合同で、「宗教者による紛争下・後の子ども保護」を実施。「一食ユニセフ募金」の浄財が役立てられることになっています。
現在、紛争や対立などの影響で子どもたちが非常に深刻な状況にあるのは、世界で42カ国と推定されています。同事業はさまざまな条件を鑑(かんが)み、実施国を選定。すでにフィリピン・ミンダナオ島で「諸宗教者によるミンダナオ紛争における子ども保護」事業(子どもたちに対する心理社会的ケアの拡充などの取り組み)がスタートしています。今後はリベリア、ケニアなどでの実施が予定されています。
なお、ニューヨークで3月8、9の両日、同事業の今後の進展について詳細を議論する目的で、「関係者連絡協議会」が開催されました。立正佼成会から松本貢一青年本部長が出席。ユニセフからは、同本部プログラムディレクターのニコラス博士はじめフィリピン、リベリア、ケニアなどの現地スタッフが、またWCRPからはウィリアム・ベンドレイ国際委員会事務総長をはじめ同アフリカ委員会のムスタファ・アリ事務総長、フィリピン委員会のスタッフら約30人が参加しました。
◆メモ 立正佼成会とユニセフ
立正佼成会のユニセフ支援は、紛争や貧困に苦しむ子どもたちを救おうと、国際児童年にあたる1979年からスタートしました。今年で32年目。街頭募金やチャリティーバザーなどさまざまな活動の中で市民から寄せられた浄財の総額は約65億円に上ります。これらはユニセフ本部を通じて教育、保健衛生、栄養などの各分野で、また緊急支援として紛争や自然災害などの影響で厳しい状況に置かれた子どもたちのために役立てられています。
98年、本会は開発や戦後復興に向けた援助活動の中で、とりわけ教育の普及が重要と判断。以来、「指定拠出」としてアジア各国の教育事業への支援を行ってきました。「3カ年計画」として、これまでにアフガニスタン、ラオス、ミャンマー、インドなど多くの国で実施された同事業を支援。また、昨年までの3年間はネパール、カンボジア、フィリピン、東ティモールに拠出しました。このほど、一定の成果が上がったことを受け支援を終了しました。
なお、88年には継続したユニセフ支援などが評価され、本会青年部として「国連平和賞」を受賞。また、90年7月の「子どものための世界宗教者会議」(主催・WCRP)、同年9月、ニューヨークの国連本部で開催された「子どものための世界サミット(首脳会議)」の両会議では、庭野日敬開祖(WCRP国際委員会名誉会長)が出席し、スピーチを行っています。
(2010.3.26記載)
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