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2010年04月24日 1126枚の"真心" モザンビークで手から手へ

「アフリカ毛布ボランティア隊」(隊長=馬場可隆鶴岡教会長)の一行23人が4月24日から5月4日まで、モザンビークを訪れました。立正佼成会会員と「JHP・学校をつくる会」のメンバーで構成された同隊は、現地NGO(非政府機関)のKULIMAとACRIDEC(共同体開発キリスト教協会)の協力を得て、イニャンバネ州など11カ所で配付活動を展開。計1126枚の毛布を生活困窮者やHIV(エイズウイルス)陽性者らに手渡しました。同隊の活動の様子を紹介します。

4月24日に日本を出発した一行は、約30時間かけてモザンビーク南部のイニャンバネ州に到着しました。
同国では現在、HIV/エイズの蔓延(まんえん)が大きな問題となっており、HIV陽性者やエイズ患者は約150万人に上ります。また、マラリアや結核の流行も深刻で、病院に通えずに命を落とす貧困者は後を絶ちません。
一行は26日、最初の配付地である同州イニャンバネ市のKULIMAの施設を訪れました。人々が歌や踊りで一行を歓迎。隊員が「アフリカへ毛布をおくる運動」の趣旨や「一食(いちじき)を捧(ささ)げる運動」を説明し、配付活動がスタートしました。

「ウザギーデ(あなたの幸せを祈っています)」。隊員がビトンガ語で一人ひとりに声をかけ、毛布を手渡します。受け取った人々は笑みを浮かべ、隊員を抱きしめる、強く手を握るといった思い思いの行動で喜びを表しました。KULIMAが支援するエイズ患者の自助グループで代表を務めるネリ・フィリマオ・ムンゴイ・ラメッケさん(65)は、「グループの中には、体を温めるものを何一つ持っていない人もいます。皆さんから頂いた毛布は、私たちの命を守るかけがえのないものです」と語りました。

このあと、一行は29日まで、同州各地で配付活動を行いました。また、この間、過去に毛布を受け取った人々を訪ね、一枚の毛布が果たす役割の大きさを学び、同運動の意義をかみしめました。
マプト州に移動した一行は5月1日、最後の配付場所であるマラクウェン地区を訪れました。同地区では、ACRIDECの支援を受け、エイズなどで夫を亡くした貧困層の女性が自立のための農業プロジェクトに取り組んでいます。今回は、プロジェクトの受益者の中でも最も貧しい人々を対象に毛布が配付されました。
配付後、毛布を受け取った一人が隊員に歩み寄り、話しかけてきました。「日本で待つ人々に伝えてください。『私は、しっかりとあなたの愛を受け取りました』と」。配付活動を通し隊員の一人は、「みんなが同じいのちを頂く尊い存在なのだと感じました。帰国後は、現地での体験を胸に、心を込めて毛布の大切さを多くの人に伝えたい」と、決意を語りました。
配付活動を終えると、女性たちはスイカやエンドウ豆を持って隊員に近づいてきました。それらは、今年、彼女たちが収穫したものだといいます。毛布への感謝の気持ちを伝えたいと、精いっぱいの贈り物として自分たちの貴重な食料を手渡したのでした。厳しい生活を送りながらも相手を思いやる心──現地の人々の優しさに触れ、隊員はつながり合う大切さを知りました。

(2010.6.11記載)